有間皇子挽歌卒論2

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    第二章 自傷歌の検討
         ⅰ 松結びの持つ意味
     『万葉集』中、「松」が詠まれた歌は八十首ほどにのぼり、樹木の類では萩の一四二首、黄葉(「もみづ」の動詞形を含む)の百余首、梅の一一九首に次ぐ。これは古代人にとって松が非常に近しい存在であったことの表れである。
    松の語を注目すると、旅中で詠まれた歌が約三十首見られる。約とするのは、題詞や左注にある行幸や旅の記録が曖昧なものが含まれているためである。
    古来の旅は現在のそれとは大きく異なり、数々の危険がつきまとうものであった。「去家」(巻一二・三一三三)の用字に見られるよう、妻のいる安楽の家から去り行くことが旅であった。旅の安全を保証するものはなく、そのため旅出の際には妻の衣の紐を結び、また境の地では手向けを行い、無事を祈った。中でも松はその常緑と樹齢の長さゆえ、長久不変の象徴、旅の身においても変わらぬ無事の祈りを込められる存在であった。
    「結び」の呪術行為は松結びの他に、「妹が結びし紐吹き返す」(巻三・二五一)、「秋草の結びし紐を解くは悲しも」(巻八・一六一二)の紐結び、「君が舟泊て草結びけむ」(巻七・一一六九)、「妹が門行き過ぎかね..

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