現社2:機能主義と構造主義

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    「現代社会理論」 2010/10/4 第2回講義まとめ

    学籍番号:710001943

    総合政策学部1年 柏野尊徳

    機能主義と構造主義について

     このレポートでは、授業レジュメに従って「機能主義と構造主義」について整理する。以下、1)社会の捉え方2つ、2)機能主義、3)構造機能主義、4)構造主義について触れる。
    1:社会の捉え方2つ ―社会実在論と社会唯名論―

     社会とはいかなる存在であるかを考慮する際、2つの考え方が存在する。1つは社会実在論であり、一方が社会唯名論である。前者は、社会を個人の集合体ではなく「諸個人には還元しえない実在」とみなす立場である。後者は個人の集合体が社会であり、社会現象はすべて個人の心理に還元できるとする立場である。歴史的には、アメリカでは個人的要因から社会に注目し、ヨーロッパでは社会そのものがもつ要因に注目する傾向がある。
    2:機能主義(functionalism)

     ただ社会唯名論では、個人心理から考えると無意味・無秩序に見える社会的現象を説明し切れない場合がある。そこで有効となる一つの考えが機能主義である。機能主義は「社会全体に対する要素の作用や貢献を昨日として捉え」る。機能主義の立場に立って書かれた著作には、ドイツのデュルケーム(Émile Durkheim)による『自殺論』(1897)や、フランスのマルセル・モース(Marcel Mauss)による『贈与論』(1924)などがあげられる。例えば、前者は自殺を個人心理の結果ではなく社会統合力の現れであるとし、後者は贈与行為が個人習慣を超えた社会現象であるとしている。
    3:構造機能主義(structural-functionalism)

     機能主義によって一定の社会現象は説明が可能となったが、社会全体を合理的に束ねられる一貫した考え方は存在せず、総合理論は構築されていなかった。そこで生まれたのが構造機能主義である。構造機能主義は「機能」のある集団や行為が集まって社会の「構造」をつくるとする立場であり、代表的な構造機能主義理論としてアメリカのタルコット・パーソンズ(Talcott Parsons)によるAGIL理論がある。

     AGIL理論は初めて一貫した社会法則を言語化しようとした理論ではあるが、1960年代になると「静態的」「保守的」であるという批判が台頭してきた。批判の背景にあるのは、構造機能主義が集団の機能を固定化させて考えることにある。これでは、集団機能の変化を求める社会革命などを一切排除せざるを得ない理論となってしまう。

    4:構造主義(structuralism)

    以上のような批判を受けながら登場したのが構造主義である。構造主義は、機能に関係なく社会には「構造」が存在すると考える立場のことである。例えば、フランスの人類学者であるレヴィ・ストロース()は、これまで機能的に説明が難しかった近親婚タブー(交差/平行イトコ婚など)を社会の構造と捉えた。タブーとは、当該社会の構造にとって分類不能の存在を生み出す行為をさす。タブーは構造の境界侵犯であり、社会構造そのものを破壊してしまうため忌避される。しかしながら、そのことが魅力となる場合もあり「混血」や「帰国子女」といった両義性をともなう存在が注目されることがある。
    ◆参考文献

    那須克(1997)『クロニクル社会学』有斐閣。

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