エピタキシャル成長における弱い相互作用
について
1.
はじめに
近年,様々な技術の開発に伴って,ナノテクノロジーの分野は急速に発展している。例え
ば,走査型トンネル顕微鏡や原子間力顕微鏡などの走査型プローブ顕微鏡によってナノメー
トルスケールで分子を操作および制御することが可能になった。また,計算機の飛躍的な向
上により
ナノメートルスケールのデバイスの性能を第一原理電子状態計算によって予測する
ことも可能になった。ナノ
メートル
スケールの世界に対する多様なアプローチの仕方が開発
されることによっ
てナノテクノロジーの発展は
ますます加速し,多くの機能性デバイスが生
み出され
ていくことが期待される。
特に,結晶成長技術,薄膜作製技術および微細加工技術
の進展に支えられた
有機薄膜
デバイスに注目が集まっている。代表的な有機薄膜デバイスを
図
1
に示す。
いずれのデバイスにおいて
も積層構造が基本となっており,有機薄膜
と基板との界面における相互作用が重要
な役割を果たしている。現在では,薄膜の
結
晶性向上や成長メカニズムの解明とい
った研究が幅広く行われていおり,とりわ
け
..