人工光合成

閲覧数2,756
ダウンロード数0
履歴確認

    • ページ数 : 5ページ
    • 会員550円 | 非会員660円

    資料紹介

    1
    錯体を使った人工光合成
    1.
    人工光合成の意義
    細胞に必要な有機物のほとんどすべては、光合成によって生産されている。光合成は光に
    よって駆動される一連の反応で、大気中の二酸化炭素から有機分子を作り出す。植物と藻類、
    それにシアノバクテリアなどの進化した光合成細菌の大部分は、水から得た電子と太陽光の
    エネルギーを使って大気中の二酸化炭素を有機化合物に変換している。
    これらの生物が水を
    分解する際に、大量の気体酸素が大気中に放出され、それが動物はもちろん、植物や細菌の
    多くで呼吸に使われている。つまり、太古の光合成細菌が大気に酸素を供給したおかげで、
    好気的な代謝をして
    ATP
    (アデノシン三リン酸)
    をつくる生命体の出現が可能になったので
    ある。
    一方、現代社会では石油や石炭などの化石燃料が大量に消費され、二酸化炭素の排出量は
    増加し続けている。その結果、地球温暖化が深刻な社会問題となっている。しかしながら、
    生活の快適指向や情報化、モータリゼーション化などの社会の流れは止めることができず、
    問題解決のために、環境への負荷が小さい代替エネルギーの研究が盛んに行われている。と
    りわけ、

    資料の原本内容 ( この資料を購入すると、テキストデータがみえます。 )

    錯体を使った人工光合成

    1. 人工光合成の意義
    細胞に必要な有機物のほとんどすべては、光合成によって生産されている。光合成は光に
    よって駆動される一連の反応で、大気中の二酸化炭素から有機分子を作り出す。植物と藻類、
    それにシアノバクテリアなどの進化した光合成細菌の大部分は、水から得た電子と太陽光の
    エネルギーを使って大気中の二酸化炭素を有機化合物に変換している。これらの生物が水を
    分解する際に、大量の気体酸素が大気中に放出され、それが動物はもちろん、植物や細菌の
    多くで呼吸に使われている。つまり、太古の光合成細菌が大気に酸素を供給したおかげで、
    好気的な代謝をして ATP(アデノシン三リン酸)をつくる生命体の出現が可能になったので
    ある。
    一方、現代社会では石油や石炭などの化石燃料が大量に消費され、二酸化炭素の排出量は
    増加し続けている。その結果、地球温暖化が深刻な社会問題となっている。しかしながら、
    生活の快適指向や情報化、モータリゼーション化などの社会の流れは止めることができず、
    問題解決のために、環境への負荷が小さい代替エネルギーの研究が盛んに行われている。と
    りわけ、光合成は...

    コメント0件

    コメント追加

    コメントを書込むには会員登録するか、すでに会員の方はログインしてください。