「資料分類」の必要性に関する考察

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    内容説明

    1.はじめに
     日本における図書館業務は、図書館法(注1)第2条を根拠に「資料の収集、整理、保存、利用者への提供」という4つの柱により成り立つものとされている。しかし現在は、条文中の「資料の整理」という言葉を「資料の組織化」と言い換えて用いるのが普通である(注2)。資料の組織化とは、図書館の所蔵する全資料へのアプローチを著者名、タイトル、主題から可能にする一連の作業過程のことを指す(注3)のだが、その作業はまず「資料の分類」から始まる。そこで本課題では、資料の組織化を行なう上で欠かすことのできない「分類」というコトを理解し、図書館法の示す資料の整理業務において最初の過程となる「資料の分類」の必要性を考えていきたい。

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    『資料の分類はなぜ必要か述べよ。』1,500~1,600文字
    1.はじめに
     日本における図書館業務は、図書館法(注1)第2条を根拠に「資料の収集、整理、保存、利用者への提供」という4つの柱により成り立つものとされている。しかし現在は、条文中の「資料の整理」という言葉を「資料の組織化」と言い換えて用いるのが普通である(注2)。資料の組織化とは、図書館の所蔵する全資料へのアプローチを著者名、タイトル、主題から可能にする一連の作業過程のことを指す(注3)のだが、その作業はまず「資料の分類」から始まる。そこで本課題では、資料の組織化を行なう上で欠かすことのできない「分類」というコトを理解し、図書館法の示す資料の整理業務において最初の過程となる「資料の分類」の必要性を考えていきたい。
    2.図書館学における「分類」の立場
     「分類」という語は一般的に「事物を共通な性質に基づいて種類に分けること(日本国語大辞典より抜粋)」という意味で用いられている。しかしながら、もともとはアリストテレス(注4)以来の自然科学の主要一派として生じた「分類学」の基礎概念から発生した言葉であり(注5)、その語単独では図...