民事執行法 強制執行手続における債務者保護の制度

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    内容説明

    強制執行手続において債務者を保護するために設けられた制度を説明しなさい。

     1、強制執行において、債務者を保護するために設けられた制度としては、執行機関の執行行為が執行に関する手続法規に違背している、つまり手続そのものが違法である「違法執行」に対するものと、執行法上は適法であるが、実体法上は違法である、つまり手続き的には正当だが実体が伴わない「不当執行」に対するものに大別される。
     2、まず違法執行に対して債務者は、執行機関がした執行行為に対する不服申立である「執行抗告」又は「執行異議」によってその是正を求めることができ、違法執行によって損害を受けたときは、国に対して国家賠償を請求することができる。もっとも、判例では、執行法上の不服申立手段による救済を求めなかった場合には、執行裁判所が自ら執行処分を是正すべき場合等特別の事情があるときを除き、国家賠償を求めることはできないとされる(最判昭和57・2・23民集36巻2号154頁)。また、債権者に故意又は過失があった場合には、債権者も損害賠償責任を負う。なお執行機関は、その執行処分が手続法規に違背していると認めるときは、職権でこれを取消すこ