『悪霊』ステパン・トロフィーモヴィチとドストエフスキーの信仰

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    <序>

    ドストエフスキーやその作品について書かれた書物は無数にある。そればかりでなく、没後130年近く経った現代においても、毎年新たなものが書かれ、その数に加えられていく。これには、「現代の予言書、黙示録」といわれる彼の作品が、今でも光りを放っているという理由も大いにあろう。一方では、その魅力的な登場人物たちの多面性、思想や精神の分裂、さらには作者自身の思想や信仰の変化などにより、作家とその作品に一つの結論を出すのが困難であるという状況にもよるのだろう。

    その「困難なもの」の一つに、ドストエフスキーの信仰がある。

    晩年のドストエフスキーが人民主義者のロシア正教徒であったのはおそらくその通りだろう。しかし、革命前の激動のロシアの中、ペトラシェフスキー会、逮捕、懲役、転向、癲癇の発作、二度目の結婚、初子ソーニャの死など、思想や私生活の様々な転機を経験しながら真の信仰に到ろうとしたその道程は、偽りなくキリストの前に跪づくための作家の苦

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    『悪霊』ステパン・トロフィーモヴィチとドストエフスキーの懐疑
                                                    
    <序>
    ドストエフスキーやその作品について書かれた書物は無数にある。そればかりでなく、没後130年近く経った現代においても、毎年新たなものが書かれ、その数に加えられていく。これには、「現代の予言書、黙示録」といわれる彼の作品が、今でも光りを放っているという理由も大いにあろう。一方では、その魅力的な登場人物たちの多面性、思想や精神の分裂、さらには作者自身の思想や信仰の変化などにより、作家とその作品に一つの結論を出すのが困難であるという状況にもよるのだろう。
    その「困難なもの」の一つに、ドストエフスキーの信仰がある。
    晩年のドストエフスキーが人民主義者のロシア正教徒であったのはおそらくその通りだろう。しかし、革命前の激動のロシアの中、ペトラシェフスキー会、逮捕、懲役、転向、癲癇の発作、二度目の結婚、初子ソーニャの死など、思想や私生活の様々な転機を経験しながら真の信仰に到ろうとしたその道程は、偽りなくキリストの前に跪づくための作家の苦..

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