「権利のための闘争」を読んで

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    権利のための闘争
     本書においてイェーリングは「権利=法(レヒト)の目標は平和であり、その為の手段は闘争である」と主張する。レヒトという表現は、客観的と主観的の二重の意味で用いられ、法を客観的レヒト、権利を主観的レヒトと区別する。どちらも闘争によって自己の存在を勝ち取り、貫いていかなければならないとイェーリングは言う。本書の主たる考察対象は「権利のための闘争」であるが、「法のための闘争」についても言及している。法は国家が手がける諸々の法原則の総体、法律による生活秩序であり、国家による法秩序の維持は無法に対しての絶えざる闘争以外の何ものでもない。法の生成・発展においてもイェーリングは闘争の法則に服すると考えているが、これには異説がある。それはサヴィニー=プフタ説と言い、法の形成は言語の形成と同様に、知らず知らずのうちに何の痛痒も伴わず進行し、闘争や追及の努力さえ必要とされないと説く。イェーリング自身も大学でこのように学び、長い間影響を受けてきたという。しかし、彼は法の改正は現存の権利や利益への介入によって実現されるものであり、これによる闘争は避けられないと考えるようになる。新しい法を生む...

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