刑法Ⅰ  分冊2

閲覧数1,407
ダウンロード数5
履歴確認

    • ページ数 : 2ページ
    • 会員550円 | 非会員660円

    資料紹介

    資料の原本内容 ( この資料を購入すると、テキストデータがみえます。 )

     犯罪の成立要件としての違法性とは、実質的に全体としての法秩序に反することである。法秩序の裏づけとなっている社会規範によって是認されないということであるといってもよい。逆からいうと、社会倫理的な見地から完全に是認されない行為であっても、法秩序の裏づけになっている社会規範によって是認されるならば、違法性はないということになる。
     違法性阻却事由とは、構成要件に該当し違法性があると推定される行為について、その推定を破って違法性がないとする事由をいう。典型的なものとしては、刑法総則に規定されている法令行為、正当業務行為(35条)、正当防衛(36条1項)、緊急避難(37条1項)があげられる。ただし、違法性阻却事由はこれらのものに限られるわけではない。
     
     違法性阻却事由は、構成要件該当性による違法性の推定を破るものである。
    構成要件該当性によって発生した違法性を取り除くものではない。また、構成要件に該当する行為は、通常、違法性を有するものと推定されるので、違法性阻却事由が存在しなければ、違法性を積極的に基礎づけるまでもなく、違法だということになる。
     例えば、 甲が傷害の意思でAの腕をナイフ...

    コメント0件

    コメント追加

    コメントを書込むには会員登録するか、すでに会員の方はログインしてください。