刑法Ⅰ  分冊1

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    資料紹介

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     罪刑法定主義は、「法律がなければ犯罪はなく、法律がなければ刑罰はない」という言葉であらわされ、刑法を支配する最も重要な原則のひとつである。刑罰権の乱用や恣意的発動による色々な事態から国民の自由、人権を守るためには、どのような行為が犯罪となるのか、そしてどのような刑罰を科せられるのかをあらかじめ成文の方によって定め、国民の目に明らかにしておくわけである。
     この罪刑法定主義において、類推解釈が禁じられている。
    犯罪と刑罰があらかじめ明確かつ適正に法律によって定められていたとしても、規定の内容について行為者の不利益な方向に類推を行い、法律の規定を超えて、本来その犯罪にはあたらないはずの行為を処罰範囲に取り込んで罰するような刑罰法規の解釈・適用が行われなければ、罪刑法定主義は骨抜きにされてしまうからである。
     たとえば、刑法134条1項の秘密漏示の罪は、「医師、薬剤師、医薬品販売業者、助産婦、弁護士、弁護人、公証人またはこれらの職にあった者」が業務上扱った他人の秘密を漏らした場合を罰している。そこで、職務上、患者の秘密に接する機会が多く、そういった秘密を漏らしてはならないとされる点でも医師...

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