サービスを科学する
日本の自動車産業が、製造工程を「科学する」ことにより、今日の地位を築いたことはよく知られている。基本は不良品ゼロ、歩留まり向上を目指すための品質管理活動。品質管理(QC)活動を通じて社員達は、ヒストグラムや、パレート図、特性要因図、散布図など「QC七つ道具」と言われる、科学的な分析手法を身につけることになる。更にQC活動のサークルリーダー達は、たとえば歩留まり向上のためのQC活動が製造原価にどう影響を与えるかの講習も受け、幹部候補生として育っていく。製造工程を科学したことが、トヨタがGMを追い抜いた背景にはある。
ならばサービス工程を科学してはどうか。生産性が低いと、かねて揶揄されているサービス産業であってみれば、サービスを科学しない手はない。
数年前からIBMは、「SSME(サービスサイエンス、マネジメント・アンド・エンジニアリング)University」を展開。最近、それに触発されたオムロンフィールドエンジニアリング社の諏訪良武氏が、これまでの実践をベースにした研究成果をまとめた、『顧客はサービスを買っている』を上梓した。見所は、サービス行為を産業分類ではなく、..