理科指導法 第1分冊

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    内容説明

    08805 理科指導法 第1分冊
    課題「科学的思考形態には、演繹的思考と帰納的思考がある。この二つの思考形態を簡潔に説明しなさい。そして、現在小学校の理科で指導する『事実からきまりを見つける』という帰納的な学習内容を二つとりあげ指導の負空や留意事項を具体的に述べなさい。」

    1.帰納的思考と演繹的思考
     帰納的思考とは、事実の観察から法則の陳述へと進む思考過程である。できるだけ多くのデータを集め、それらの共通点に着目し、結論を導きだすものである。
     演繹的思考とは逆に、前提としてある法則から、順序立てた仮定によって最終結論を導き出す方法である。
     純粋に帰納によって見出されたと思われた法則でさえ、「事実」の集積によってそこから直接に導かれたものとは言いがたい。なぜならば、事実だけでは問題は発生せず、すなわち事実だけでは思考の働きは生じない。疑問を持ち、仮説を立てることが出発点であり、その仮説からの演繹を経てはじめて個々の事実の確かめが意味をもってくるのである。問題意識をもたなければ、事実は事実であるだけで、思考と結びつけられることがないままである。
     このように見てくると、あらゆる思考は演繹過程に基礎付けられていると考えることができる。実際、...