『輸入学問の功罪-この翻訳わかりますか?』の書評・考察

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    『輸入学問の功罪-この翻訳わかりますか?』の書評・考察
     
    本書では、現代における様々な思想書・哲学書が一般読者にとって非常にわかりにくいという課題に対し、「逐語訳的翻訳」をその問題点として提示している。著者は、難解な翻訳文体の存立背景として、輸入学問の受容を通して進行した日本の近代化の過程と、そこで確立した権威主義的なアカデミズムを社会論や近代化論的視点から描き出している。その上で、筆者なりの翻訳論を示し、翻訳者としてのあり方を模索する試みが見られる。
     以下では、著者の論の要旨について把握しつつ、その性格について批判的に考察・検討していきたい。
    Ⅰ.難解な訳文の原因
     はじめに、哲学や思想などの翻訳書がなぜこれほどまで「難解」なのか、その要因について見ていきたい。
     著者はまず、「市場から隔離された」閉鎖的存在として翻訳の伝統を捉え、市場主義に冷笑的な日本の教条的アカデミズムの問題点について指摘している。
    その論拠として著者は、日本で最も初期にマルクスの『資本論』を全訳した高畠素之の訳文と、その一世代後に刊行された岩波文庫版の訳文とを比較してみせている。後者の文庫版訳文に関しては、..

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