国文学史1 分冊1 紀貫之の功績

閲覧数2,076
ダウンロード数5
履歴確認

    • ページ数 : 2ページ
    • 会員550円 | 非会員660円

    資料紹介

    資料の原本内容 ( この資料を購入すると、テキストデータがみえます。 )

    紀貫之は、平安時代前期の歌学者で『古今集』の選者、『土佐日記』の作者であるほか、後の時代の藤原公任の『三十六人撰』にて和歌の名人36人として選ばれた三十六歌仙のうちの一人でもある。

    紀貫之の生きた平安時代前期は、文学の上で漢詩・漢文が公的な学問として重んじられる一方で、漢字をもとに作られた和製文字である仮名が誕生し、当初は女性が使う文字とされていたが、やがて公的な場で歌合などが楽しまれるようになっていった時代である。日本固有の文化である和歌や仮名文学が漢文と同じ地位に押し上げられ栄えるのと同時に、文化の上では中国風文化から国風文化への転換がおこり優美・繊細かつ貴族的な文化が栄える土台が作られた。
     その丁度転換期である延期(九百一~九二三)の時代、醍醐天皇の名により最初の勅撰和歌集『古今集』が編纂された。選者は紀貫之、紀友則、凡河内躬恒、壬生忠岑らである。その中には平安時代初期の歌も含まれ、「読人しらずの時代」から六歌仙時代、撰者らの時代までの約百四十年間の名歌千百首が集められている。古今集のうちで一番数が多いのは撰者らの時代の歌であるが、それらは、万葉集時代や六歌仙時代の歌風と比べ...

    コメント0件

    コメント追加

    コメントを書込むには会員登録するか、すでに会員の方はログインしてください。