国文学史1(分冊2)平家物語の特色と成立基盤

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    日本の中世の代表的な文学である「平家物語」は、栄華を極めた平家一門がやがて対抗勢力である源氏との争いに敗れた末に安徳天皇もろとも壇ノ浦に沈み滅亡するまでを追いつつ、平安貴族の没落と台頭しだす武士らの人間模様を描いた物語である。
    「平家物語」の特色は、第一に、末法思想(釈迦の教えが得られなくなる時代の到来)・諸行無常(この世にあるものはすべて確かなものではない) ・因果応報(この世は原因と結果の因果関係で成り立っている)・厭離穢土(現世は穢れたものであり救いはない)・欣求浄土(極楽浄土にこそ救いがある)というような仏教、特に浄土教的性格の強い思想が随所に見られるところである。

    物語内での描写としては、二位の尼が安徳天皇に『この国は粟散辺土と申して、物憂き境にて候ふ。あの波の下にこそ、極楽浄土とて、素晴らしき都の候。それへ具し参らせ候ぞ』と、現世を憂い極楽浄土に向かうのを目的として自害を勧める場面などが象徴的である。

    第二は、運命的な無常観たる「あはれ」の感情である。

    有名な『祇園精舎の鐘の声諸行無常の響きあり…』で始まる冒頭で知られるように、「平家物語」の物語は冒頭から人の世の無情...

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