第Ⅰセメスター金1-3

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    資料紹介

    資料の原本内容

    密着結合(tight junction)
     動物の上皮組織には特有の細胞間結合がみられる。結合の種類としては主に次の5つに分類される。

    密着結合(tight junction)

    接着結合(adherens junction)

    デスモソーム結合(desmosome junction)

    ギャップ結合(gap junction)

    ヘミデスモソーム結合(hemi desmosome junction)

     このうち、密着結合(tight junction)は上皮組織特有の結合である。接着結合などの他の細胞間結合は上皮組織以外にも見られる。密着結合とは、上皮細胞の頂端近くに、細胞を取り巻くようにして(ミシンで縫いつけられたかのように)形成される結合のことで、細胞と細胞の間から分子が簡単に漏れ出さないようにする役割を果たす。Kissing pointと呼ばれる接着点では「細胞間の距離がほとんどゼロ」であると小腸などにおける栄養の吸収活動が成り立つためには、この密着結合による漏れ出し防止効果は必須である。また、分子の漏れ出し防止機能は、細胞のbasal側とapical側を分ける(極性を維持する)のにも役立っていると考えられている。

     密着結合の形成はクローディンと呼ばれる蛋白質によって行われる。クローディンは4回膜貫通した膜蛋白質であり、複数が局在してジッパーのような構造をつくっている。クローディンの発見には、1989年に世界で初めてadherens junction (AJ)をrat liver hepatocyteから単離することに成功した、月田承一郎先生(京都大学大学院医学研究科教授・細胞生物学)が貢献された。
    参考資料

    マクロ生物学講義資料 (伊藤一男先生)

    化学Ⅰ・Ⅱの新研究―卜部吉庸著 三省堂 ISBN4-385-26091-5

    スクエア最新図説生物―吉里勝利監修 第一学習社 ISBN4-8040-4472-8

    THE AMERICAN SOCIETY FOR CELL BIOLOGY―http://www.ascb.org/index.cfm?navid=11&id=2017&tcode=nws3 

    小さな小さなクローディン発見物語―月田承一郎著 Douglas Sipp 訳pdfファイル

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