《炭素14年代測定、AMS法、較正年代の原理・方法》

閲覧数3,800
ダウンロード数1
履歴確認

    • ページ数 : 4ページ
    • 会員550円 | 非会員660円

    資料紹介

    1.炭素14年代測定の原理
    炭素14年代測定とは、放射性同立体である炭素14が、ベータ線という放射線を出しながら時間経過とともに崩壊し、安定同位体である炭素12、13との比が減っていく性質を利用して、動植物などが、死亡などによって炭素を取り込むことをやめた段階からの時間経過を測定する方法である。また炭素14年代測定は1940年代末にアメリカ、シカゴ大学のW.F.Libbyによって開発された自然科学的年代測定法ともいえる。古い資料では14Cの量が少なく、最近の資料であれば多い。14C測定法は、過去数万年間、地球上のどこにおいても炭素14の濃度は一定と前提し、炭素の半減期は573年として計算する。文献資料のない考古学上の事物に対して絶対年代を与えてきたが、過去の測定においては、測定上の統計誤差が百年以上となり、細かな年代的位置付けには必ずしも適していなかった。なぜなら炭素14Cの存在比は炭素年代全ての時代で一定であると仮定しているが、実際はそうではない。過去の14C濃度は、地球からの磁場の影響、太陽活動の変化による宇宙線量の変化、産業革命以後の14Cの濃度の変動、核実験等による14Cの増加などによって大きく変化している。そのため既に年代がわかっている木の年輪を用いて過去12000年近くのデータを較正曲線として補正する必要がある。
    また、炭素が電子(β線)を放出し、壊れて窒素へと変化する性質を利用する方法もある。一万個の炭素14原子が5千個になるのに5730年かかる。この期間を半減期と呼び、炭素の半減期は5730±40で表される。生物が死ぬと炭素を取り込むことはなくなり壊れる一方である。従って意外に1兆分の1あった炭素が2兆分の1に半減していればその生物は5730年前に生命活動を停止したことが分かる。炭素を測定するためには、炭素が崩壊するときに放出する電子を数える「β線計測法」もある。しかしこの方法は1分間に14個しか壊れないため計測困難なものとなる。

    タグ

    実験測定電子科学化学分析考古学方法生物統計

    代表キーワード

    実験

    資料の原本内容 ( この資料を購入すると、テキストデータがみえます。 )

    『考古学と関連科学B』課題1

    《炭素14年代測定、AMS法、較正年代の原理・方法》
    《炭素14年代測定、AMS法、較正年代の原理・方法》

    1.炭素14年代測定の原理

    炭素14年代測定とは、放射性同立体である炭素14が、ベータ線という放射線を出しながら時間経過とともに崩壊し、安定同位体である炭素12、13との比が減っていく性質を利用して、動植物などが、死亡などによって炭素を取り込むことをやめた段階からの時間経過を測定する方法である。また炭素14年代測定は1940年代末にアメリカ、シカゴ大学のW.F.Libbyによって開発された自然科学的年代測定法ともいえる。古い資料では14Cの量が少なく、最近の資料であれば多い。14C測定法は、過去数万年間、地球上のどこにおいても炭素14の濃度は一定と前提し、炭素の半減期は573年として計算する。文献資料のない考古学上の事物に対して絶対年代を与えてきたが、過去の測定においては、測定上の統計誤差が百年以上となり、細かな年代的位置付けには必ずしも適していなかった。なぜなら炭素14Cの存在比は炭素年代全ての時代で一定であると仮定しているが、実際はそうでは...

    コメント0件

    コメント追加

    コメントを書込むには会員登録するか、すでに会員の方はログインしてください。