教育心理学テスト対策

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    資料紹介

    佛教大学「教育心理学」の科目最終試験の簡略解答です。ただし、「ボウルビィのアタッチメントについての所説を紹介し、乳幼児期のアタッチメント形成と青年期の対人関係のあり方との関連について考察しなさい。」のみ解答を作成していません。
    参考までにご利用ください。

    資料の原本内容

    学級集団としての特質をその編成面・機能面にわたって解説しなさい。また、学級を統率する教師のリーダーシップについて考察しなさい。
    P221
    学級は多くの場合、次のような一般的特性を兼ね備えている。
    1学級はヘッドないしリーダーとしての教師と生徒から構成されている。
    2生徒は多くの場合同年齢者から成っている。
    3学級編成には子ども自らの意志で選択することも離脱することもできない。
    4学級では構成員らの相互作用を通して、様々な人間関係が展開される。
    そこで、教育集団としての学級集団が学級の共通目標達成のために機能するためには、集団の組織化が高水準へと発達する場合と同じように、学級集団もリーダーとしての教師とフォロワーとしての生徒の関係が何らかの形で上手く組織化されることである。この点について学級集団が効果的に機能するのは、1学習が迅速に進展するとき2教師と生徒の両者が正の期待に沿って行動したり、その期待に答えようとする態度をもつとき3集団ゴールの達成が促されるような対人関係が発達するときである。
    リーダーシップ行動はP機能(課題逐行機能:課題達成に直接関係する機能を意味する)とM機能(集団維持機能:集団成員が連帯感をもてるよう、または集団から離れないようにするための機能を意味する)から成立しており、P、M機能それぞれの高・低の程度を組み合わせてリーダー・シップ型を4種類に分け、それらが学級の連帯性、学習意欲、規律遵守、学級満足、にどう影響するかを調べた結果がある。この結果から明らかにされたことは、PM型教師の指導の下では、他類型に比べて学級連帯性が強く、学習意欲も高く、規律遵守も大きく、かつ学校不満も少ないことが顕著に現れた。
    そして状況によってリーダー・シップスタイルを適用することが重要。
    学習理論の中で、条件付け理論、認知説、社会的学習理論について、各々の相違点が明らかになるよう概要をまとめよ。
    P76
     条件付け理論:条件付けによる学習は古典的条件付けと道具的・オペラント条件付けが挙げられる。いずれも刺激と反応との間に形成される連合・結合として学習を捉えている。古典的条件づけによる学習は次のような代表的な手続きを用いる。イヌを防音室に入れて、食物を与えるとき、いつもブザーの音を対にして提示される。このような食物と音の対提示を繰り返すと、その後では音のみを聞かせただけで、イヌは唾液分泌を引き起こす。音は、本来唾液分泌を引き起こす力は持たないが、新しい刺激と反応の結合が成立する。このような新しい刺激と反応の連合を形成させる訓練手続きを条件づけとよぶ。道具的・オペラント条件づけは、条件刺激と条件反応が与えられ、受動的な形で条件づけが形成される古典的条件づけと区別され、環境に対する学習者の能動的、積極的な働きかけを通じて条件づけが形成される。道具的条件づけは、箱の外側に餌を置き、紐を引っ張ると戸が開いて外に出ることができる仕組みになっている。空腹なネコをこの箱に入れる、最初はでたらめな行動を行う、偶然、ヒモを引っ張り、外に出て餌を手に入れることができた。このようなことを繰り返すうち、箱から脱出するまでの時間が短縮され、でたらめな行動も減った。ネコのこうした問題解決行動は試行錯誤とよばれ、このような学習はエサを手に入れるための道具的手段として条件付けが形成された。オペラント条件づけは、道具的条件づけを発展させたものである、空腹なネズミを箱に入れる。偶然レバーに触れてそれを押すと餌が出てきた。エサを入手するためにはレバーを押す反応が必要であるが、最初はその頻度が少ない。スキナーはこのような初期のある一定時間に生起する反応頻度をオペラント水準と呼び、条件付けの基準と考えた。レバー押し反応は餌を手に入れるための道具・手段となって、オペラント条件付が形成される。オペラント条件付けでは条件づけが形成していくに当たって、条件刺激が学習者に明示的に提示されていない。学習者は様々な行動を能動的に行うことによって条件刺激と条件反応の関係を見出していく。
     認知説:見通しや洞察によって問題解決が達成されるという理論。餌が金網越しに見える地点にチンパンジーを置く。周囲を見て、回り道を行い、餌を手に入れた、自分が置かれた刺激布置全体を把握し、どのようにすれば餌を手に入れられるかに関して、見通しや洞察をしたと考えられる。試行錯誤的に具体的行為を行うのではなく、見通しや洞察などの内面的な活動により問題解決の手段を考え出した。
     社会的学習理論:われわれの学習は上記のような実験室で生じるものだけではない。多様な状況においても行われる。日常で展開する学習は社会的学習と呼ばれる。伝統的な学習理論では、学習は学習者自身が自ら反応を行い、その結果を経験することにより成立すると考えられてきた。しかし、現実生活においては、我々は周囲の様々な他者を観察し、その他者の行動と結果から多くのことを学習している。つまり、直接経験から試行錯誤的に少しずつ学習するだけでなく、他社から多くのことを学び取っていく。このような観察学習を通じて、我々は長い時間をかけずに、効率よく多様な行動を獲得していく。
    知能および創造性それぞれの概念を明らかにし、両者の相違点について論述せよ。
    P287
     知能とは人の知識量であったり、人の推理力であったりする。さらに、人の学習能力、抽象的な思考能力、新しい環境に対する適応能力、あるいは、個々の精神機能ではなく総合的な精神的能力をとらえて言う場合もある。ヴェックスラーは「知能とは、個人が目的に向かって行動し、合理的に思考し、環境的に効果的に対処する総合的・全体的能力である。」と述べている。
     ギルフォードは6つの「創造性因子」を見出した。①問題に対する敏感さ②流暢性③柔軟性④独創性⑤綿密さ⑥再定義である。トーランスは、創造性は他の能力のように一様に伸展するものではなく、減退する時期もあると述べている。創造性が思考や学習能力といった知的側面ばかりでなく、むしろ問題に取り組む構えや熱意といった態度的側面やパーソナリティ要因の法が重要であるとされている。
     また、知能は測定することができるが、創造性は測定することは不可能であるとされている。
    心理学におけるフラストレーションのとらえ方を説明し、その原因・その時の反応・耐性について解説せよ。
    P175
     人の行動が目標に向かう過程で、何らかの理由で阻止されるときに、人の心が陥る状態を「欲求不満(フラストレーション)」とよぶ。このような状況下では、欲求が満たされず、緊張状態が生じる。それはイライラや不安や怒りといったさまざまな形で現れるが、これらの情動反応に対して、人はその解消を目指していろいろな対応行動を工夫する。
     原因を欠乏、喪失、葛藤の3つの状況に分類できる。例えば、入試において学力偏差値が低いために、希望の大学に入る見込みのないのは能力の「欠乏」である。その可能性はあったのに急な家庭の事情で進学を断念するのは「喪失」。そして、合格はしたものの第一志望ではなく、来年また受けようとするのは「葛藤」である・
     反応は、攻撃性:口論、イライラ、八つ当たりなどで表現される。退行性:人がすでに通過した発達段階で示したのと同じ行動様式を示す。固着性:攻撃も退行もできないとき、自己の内部に閉じこもる。
     耐性は、人が欲求達成の方向で努力していく過程での「欲求不満」に耐えていく力を示している。欲求不満耐性は性格や知的能力などに関係してくるが、これは幼児期からの人格形成過程の中で培われていくものである。人はそれぞれ、その遺伝的・体質的な面や、社会環境などが異なっているので、獲得される欲求不満耐性の度合いにも個人差が生じる。
    象徴機能とは何をいうのかを明らかにし、その発生について具体例を示して解説しなさい。また、教育との関連でポイントを論述しなさい。
    象徴機能が発生する時期は幼児期である。子どもは、1歳半から2歳という感覚運動期の最終段階の頃に表象能力を現しはじめる。今、目の前にないものごとについても頭に思い浮かべ、自分で実際に行動してみなくてもその様子を頭に思い描く。つまり、具体的な知覚経験をもとに自分なりにイメージを構成し、それを利用して時・場所を変えて自分なりのやり方で活動するようになる。表象能力の出現を示す初期の活動として延滞模倣が挙げられる。ある子どもが「ガアン…、ゴオン…」と言いながら長方形の箱を動かし、ときどき箱を止め、自分のからだの動きも止めて「プシュッ」と言ったという事例がある。これは、電車に乗ったときのイメージをもとに、後日、家の中でその特徴を再現しているのだが、この模倣行為には箱を電車に見たてる活動、箱やからだを動かしたり止めたりすることによって電車に乗っているふりをする活動が含まれている。この活動における箱や子どもの音声・しぐさといったものは、電車という指示対象を意味するもの、すなわち象徴なのである。
    他には、1歳3ヶ月の子どもが一枚のふさ飾りのついた布から、いつも使っている枕を思い出し、目を開けたまま、眠るときの目を閉じる情景をほのめかすようにまばたきをして笑ったという観察例がある。これは、明らかにふさ飾りから枕の象徴をつくり出し、つまり、枕をイメージし、さらには眠るときの動作をともなわせている。また、その子どもは1歳8ヶ月にもなると、「おいしい」といって紙片を食べ物にみたてて食べるそぶりをしたのである。これは遊びの中に象徴が現れているものと考えられる。
     3歳頃には、子どもはふりやみたてを複雑に組み合わせて虚構の世界を作り上げるよ...

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