インスリン自己注射の基本

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    資料紹介

    糖尿病治療におけるインスリンの自己注射の方法

    資料の原本内容

    成人看護学 セルフケアマネジメントに向けての看護 代謝異常
    インスリンの自己注射について
    [インスリン自己注射の基本]
    インスリンの保存
     インスリン注射液の成分はタンパク質であり、原則的には冷蔵庫に保存する。凍結や33℃以上の温度ではインスリンは活性を失うが、25℃の室温で保存しても活性に問題ない。そのため、ペン型製剤のカートリッジ式では、カートリッジにセットした後は室温で保存し、プレフィルド式では開封後に室温で保存する。
    混和
      中間型、持効型、および混合型のインスリン製剤は、注射をする前に静かに混和する。
    注射方法
      指示量を皮下注射によって正確に投与する。皮下の脂肪層と筋肉層との間に注射するのが望ましい。
    投与時間
    超速効型インスリンおよび長時間作用型インスリン以外のインスリン製剤は、食事によって上昇する血糖を抑制するため、食事30分前に注射する。速効性のインスリンおよび超速効性のインスリンを投与した場合は、適切な時間に食事をしないと低血糖の原因となる。
    注射に適した部位
     下記に示すように、上腕外側部、腹壁、臀部、大腿部である。インスリンの吸収は部位によって異なり、吸収の速い順は、腹部、上腕部、臀部、大腿部である。注射後にもんだり、あたためたりするとインスリンの吸収は速くなり、また、大腿部に注射したのちに大腿を使った運動をすると吸収が速くなるので注意する。吸収が安定していすことから、腹壁が選択されることが多い。毎日の注射部位は、指1本分、約2cm話して注射するのが原則とされているが、前回の注射部位がわからなくなることが多く、また利き手に注射器を持ち、反対の手で皮膚を把持するので、同一部位に注射されることも多い。たとえば、朝夕の2回の注射で腹部を使用する場合は、朝は左腹部、夕は右腹部、かつ奇数日は腹部上部、偶数日は腹部下部と決めておくなどの工夫が必要である。
     同一部位に注射を続けると、脂肪組織萎縮、硬結をきたすことがあるので注意する。若年成人の場合には、椅子や机に軽く腰掛けると上臀部を使用することもできるので、看護職者はさまざまな工夫についての情報を提供する。
    低血糖の予防
     インスリン製剤の作用発現時間。最大効果発現時間に基づき、低血糖の発現時間を予測する。とくに、インスリン療法を始めたばかりの時期は自分で低血糖に気づかなかったり、過度に心配することがあるので留意する。
    [ペン型インスリンの使用方法]
     最近は携帯に便利で、使用方法が容易なペン型製剤の使用が多くなっている。ペン型製剤は各社から数種類発売されているので(下図参照)、自分の使用する製剤はどのタイプなのかを確認することが重要である。使用に際しては、指導用映像やパンフレットで学習し、確実に操作ができるように援助する。カートリッジ式ペン型インスリン注射器およびプレフィルド式ペン型インスリン注射器の取り扱いの留意点は以下のようである。
    カートリッジ式ペン型注射器のカートリッジおよび開封前のプレフィルド式ペン型注射器は冷蔵庫に保存する。しかし、カートリッジをセットした後の注射器および使用開始したのちのプレフィルド式注射器は、水滴がつくなど故障の原因となるので冷蔵庫には入れない。
    中間型・持効型・混合型インスリン製剤(速効型および超速効型以外の製剤)は、使用前に10回程度、上下にゆっくり振り、中に入っているガラス球で均等に混和してから使用する。〔持続性を持たせるために、プロタミンや亜鉛などが添加されている。白色の懸濁液となっており、放置すると白色の沈殿物(添加物)とうわずみ液(インスリン)に分離する〕。
    注射器は、1回ごとの使い捨てである。使用後はキャップをつけて安全に廃棄する。
       

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