P6305 米文学研究 科目最終試験 予想解答集 (新テキスト対応)

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    内容説明

    2011年度に出題された(ている)設題です。
    新テキスト『米文学研究:小説の読み方/論文の書き方』対応です。あくまで参考資料としてご利用ください。

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    P6305 米文学研究・科目最終試験予想問題
    【設題】フィッツジェラルドの『グレート・ギャツビー』を、語り手から読んで、その面白さを述べなさい。
     この作品の語り手はニックである。彼は1922年秋、ニューヨークから生まれ故郷に戻ったが、この作品は1923年から24年にかけて、1922年の夏の数ヶ月に起こったギャツビーとの出会いと別れを、彼が回顧する、という体裁をとっている。従ってニックは、物語の全てを知る、神のような語り手ではなく、彼自身も作中に登場する(しかも主要な)人物の一人である。
     彼が限界を持ち、人間らしい語り手であることは、例えば自分自身の紹介にも示唆されている。彼は「正直な人間である」と自称する一方、一時は恋仲となったジョーダンとの別れ際の会話で、「自分はそれほど正直者ではない」と彼女に言い返すことで、自身の主張を否定している。また、ニックは「人生はひとつの窓から眺めたときの方が、遙かにすっきりして見えるものなのだ」と語っている。しかし、ギャツビーとニックとが、トムの屋敷に招待された日の午後、ニューヨークに向かう途中で、同乗していたトム、ニック、ジョーダンは、ウィルソンの...