木の話(改定1108月)

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    資料紹介

    木は、我々日本人の底辺の位置づけと思ってます。その樹種が---自分の勉強のためです。ご指摘とアドバイスが頂ければ幸いです。

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    資料の原本内容

    日本の主な樹種と木材  H・B
    1) すぎ 【杉・椙】 Japanese cedar スギ科スギ属の常緑針葉樹  学名: Cryptomeria japonica
    【親しみ深く清楚。植林№1】
    ● 古代から現代まで、日本人が最も多く利用している木。 弥生時代の登呂遺跡から杉の柱が多数発見されている。
    ○分布: ● 日本特産の代表的な樹種で、本州北部から南は屋久島まで生育。人工植栽は北海道南部にまで及び、その量は第一位である。 
                                人工造林地‐‐‐‐‐吉野(奈良)・日田(大分)・天竜(静岡)・飫肥(宮崎)・智頭(鳥取)・尾鷲(三重)
    ○木材面: ● 心材 ==淡い紅色(赤心)~赤褐色~黒褐色(黒心)。 辺材 == 白色。
         木理は通直。肌目粗い →→ 飾り気の無い材質 ==日本人の文化思想 → 共通した表現によく利用される。
         「清貧の思想」 = 「清楚で慎ましやかな生き方」と一致。 人の美意識を研ぎ澄ます感覚を覚醒させる要素を持っているか?
    ○特徴: ● 気乾比重0.38 = やや軽軟 === 加工性良好、乾燥容易、割裂性良好 →→ 〔用途〕杉の天井材
         ● 水に比較的強い == 外壁の板、建具材(杉戸)、古代からの造船用材
          *軽量、耐水である為に、古代から造舟用に------『日本書記』に杉等の木の事が記載されている
         ● ほのかな香の有る木 = 【木香】(きが) →→ 〔用途〕酒樽、味噌樽醤油樽漬物樽。
          *杉の香と酒は微妙な関係 === 樽の内側に赤太(心材)、外側に白太(辺材)、その変り目が香る元。                           
          *香りが、食欲をそそる →→ 〔用途〕杉の割りばし
         ● 耐朽性・保存性 == 赤太→高い、白太→低い-----だから 建具材等に良く使われる
         ● 飫肥杉(オビスギ) →→ 今でも船舶用(弁甲材)に利用されている-----油が多い故
         ● 床柱 == 磨き丸太・絞り丸太・関西を中心に鎌倉時代より →→  白さ=禅文化=武家造と相乗 →→ 清貧
        ● パルプ用材としては不適 == 黒心の漂白が難点
    ● 太古の昔より水土中に埋もれ、火山灰などで青黒褐色に変色した珍奇な杉材神代杉(じんだいすぎ)と言い、工芸品の製作や高級日本建築の装飾などに用いられる。屋久杉は、鹿児島県屋久島に自生する天然杉で樹齢千年を超えたもが屋久杉と呼ばれる。現在、伐採は禁止されている。
    ○問題点: ● 杉花粉症 ===杉の植林のしすぎと、化石文明による大気汚染の相互作用が原因か?
                【対策】伐期を迎えた木の早期利用化促進が必要。伐採後、広葉樹の植林促進転化必要 
    2) 木鼠<ねずこ> 鼠 子 杜松子 クロベ(黒檜) *「きへん」で鼠=ネズコが字に無いので複合して作った。
    ヒノキ科クロペ属の常緑針葉樹。 学名 : Thuja standishii
    【ヒノキ科なのに、輸入材の米杉に似ていることだけで、正統に評価されなかった別嬪な逸材】
    ○特徴: ● ヒノキ科 ====桧と親戚==決して杉の仲間ではない
    わが国の本州、中部地方から中国地方、四国に分布。多くは、中部の山地に生え、木曾の五木の一つ。
    山地から亜高山帯に生え、高さは30メートルほどになる。
    葉は鱗片状で「ヒノキ」より大きく、裏面に目立たない気孔線がある。
    ● 桧及び杉よりやや軽い。(比重0.3~0.4)   しかし、杉より強度が有る
    ● 水に強い、虫に強い →→ 『榑葺』(くれぶき) ==鼠子の丸太を薄く木目に沿って割った板
    ○用途: ● 柾目の木目通りの良いスキットした鮮やかさ
    艶の良い茶褐色の柾目
        -------床の間の「落とし掛け」
        -------壁板・腰板・幅広物は鏡板
        -------建具用材. 天井材←.← 使えば使う程に艶の良さ.風格が出る。 
    ○特質: ● 香の良さ、と精神安定作用、及び殺菌効果がある。 *ヒノキチオールが効果
                                       
    ● 『木曽五木』
    桧(ヒノキ)
    鼠木(ネズコ)
    木甚(サワラ)  →→ 勝手に切ると討ち首
    翌桧(ヒバorアスナロ) *それだけ重宝な樹種
    槙(マキ)
    ● 輸入材の【米杉】⇒実はこの<ねずこ>の一種⇒杉の仲間でない。米ネズコでは通りが悪い⇒米杉と勝手名称にした。    しかし米杉は<ねずこ>と比べて質悪(特に、艶と耐水性)
    ● 木鼠は、時に、鼻や眼の粘膜の弱い人はクシャミや涙を誘う程に、刺激臭が有る。...それだけ香が強い。
    ● 別名、クロベと呼ばれる理由...黒桧と書いて、クロベ。白っぽい桧に対して黒い桧と言えるから 
    ● 鼠木は殆ど植林がされていない。自然の中で自力で育った。故に木目がきめ細かい。
    ――――――桧や杉が森林面積に41%も植林して育てられたーーーー大きな違いがある。
    ――――――山奥の中で自力でひっそりと育ったこの木は、表の桧と比べて、又特別の良さがある。
    3) 松<まつ> 【荒れ地でもめげずに育ち、人との会話を好む木。しかし今は大ピンチ】
    ● 杉に次で、日本人に親しまれている木。
     樹木としても、人間生活と比較的近いところに育ち、建築用材として広く使われている。
    ○用途と特徴:  
    ● 針葉樹の中で比較的重く、かつ曲げに強い木 ⇒⇒ 木造建築用材として、特に【梁】に使われる。
    ● 家の中心で男性的アクセントの表現に最適 ⇒⇒ 【床柱】---赤松の面皮貼の床柱or棟木(むなぎ)
    ● 脂(ヤニ)松の板『油分のにじみ出た板』---滑りが良く赤黒光 ⇒⇒ 床板(ゆかいた)---厚めの板
       
       
    ○種類: ● 黒松-----浜辺などの砂地に有る松==樹皮が黒色 葉は、赤松よりも太くて剛い
    ● 赤松-----山地などの荒地に有る松==樹皮が赤色
       *どちらも地中が痩せている土地に生える率が高い。=生命力の有る木。
        ------戦後、復興住宅早期建設のために殖栽促進された。
    成長が早い故==人工栽培..何処もかしこも。
    ○松の樹種別分類: <松は極めて沢山な種類が有る>
    ● 二葉松(にようしょう)    ・針の様な硬い葉が二本有る松。常緑針葉樹---黒松.赤松
                   ・太い針の様なしかし柔らかい葉が二本有る松。
    落葉針葉樹---唐松(からまつ)《落葉松》
    ● 五葉松(ごようしょう) ・針の様な葉が五本有る松。 マツ科マツ属の常緑針葉樹----姫小松.五葉まつ.朝鮮松
    ・二葉松に比べ木目が細かく、軽軟で、狂いが少ない。切削などの加工性は容易。
    ・用途---建築の造作、建具、天井板、家具、仏壇、彫刻、漆器木地、ピアノ響板など
    ・樹皮は暗灰色で鱗状をなす。心辺材の区別はやや明瞭で、辺材は淡黄白色、心材は淡黄紅色~淡紅色を呈す。年輪は幅狭く均一
    ● 唐檜 (とうひ) ・唐松に似ているが常緑針葉樹。唐松より少し細めの長い葉。
    ・蝦夷松と大変良く似ている。
    ● 樅 (もみ)   ・マツ科モミ属の常緑針葉樹。   椴松(とどまつ)と良く似ている。
    ・松と樅の相違点は樅の葉先は二股に成っている
    (松は全て軟硬は有っても一先)
    ・通常はすべて白色で、着色した心材をもたない
    ・樹木をクリスマスツリーに用いることでよく知られる
    ● 栂椹(トガサワラ ) マツ科トガサワラ属の常緑針葉樹
    辺心材の境界は明瞭で、辺材は黄白色、心材は淡い紅褐色
    ○松枯れ現象の話
    (原因) マツノマダラカミキリ(カミキリの一種)によって運ばれる小さな線虫(マツノザイセンチュウ)が
    樹幹中の養分.水分の通り道(仮導管)で、養分.水分を横取りしてしまう為
    ―――(何故 その線虫が大量に発生したのか?)
    ――― 人が働かなくなった事。所謂人件費高騰の結果、かっては沢山な山守が木の枝打(えだうち)、或いは下狩り等の山、森ひいては樹木を守る為に活動をしていた。しかし現在はそれが皆無といってよいほどにされなくなった。即ち、松と人は対話をしなくなった、そんな時代になったからか?    松、森、山を大事にお守り出来なくなった。                                                                        樹木の下場は手入れされない侭に、腐るが侭に、奇生虫バクテリアの繁殖の侭になっている。                                                                         そのことがマツノマダラカミキリ或いは線虫の増殖に拍車をかける結果に成っている。
    ******(将来は.どうなって行くのだろうか?)
    ⇒⇒⇒そもそも松とは痩せた所に生成すべき木である。
    ⇒⇒⇒松が絶えることにより、又新たな肥えた土壌からの樹種に、輪廻転生するのだろう。
    それはひょっとしてより高度な樹木の森に.山に成って行くのかも。此のことは自然の流れなのかもしれない。
    ○盆栽の中の松  ⇒⇒⇒ 今後、松は改めて、人と十分対話する道として、盆栽の中で丁寧に会話することか? それが大事に残されて行くべきと思われる。...

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