中小企業論過去問

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    資料紹介

    日大中小企業論過去問です。平成21年~23年分、かなりとびとびですが、よろしければ参考にしてください。

    資料の原本内容

    中小企業論過去問
    H21.4 回
    中小企業はなぜ金融問題を抱えるのか、また、その改善に向けた政策を論ぜよ
    理由として以下のものが挙げられる。
    ①自己資金の調達力が弱く、外部資金への依存度が大きい。
    ②外部資金のうちでも短期不安定資金の割合が高い。
    ③大企業への従属関係のテコとなりがちな企業観間信用に強く依存し、銀行信用への転化
    能力も弱い。
    ④長期資金需要の一部を短期資金で充たす状況であり、安定的供給が行われないこと。
    ⑤大企業と中小企業を比較したときに、中小企業は、信用力・担保力・市場支配力も乏し
    く、またそれにより貸出の小口性によってコストを高めることが金利格差を生んでしまう
    こと。
    その改善策として、第一に民間金融機関の利用だけでなく、政府系中小企業金融機関の利
    用に対しても有利性を見出すことである。メリットとして「金利が安い」
    「預金協力の負担
    がない」
    「長期借入ができる」「固定金利が利用できる」などがあげられる。第二に運用目
    的に徴し、資金の安定度、利率、返済条件等の面でどの調達方法が望ましいかということ
    を十分に検討し、良質な資金調達を行うべきである。第三に金利変動リスク・為替リスク
    を考慮し、損失を招かないようにすること。第四に余資運用に際して、安全性・流動性・
    収益性という3つの観点から検討すること。
    H22.2 回
    中小企業が抱える基本的経営課題を 3 つ挙げ、それら経営課題が生まれる背景・条件を論
    じなさい。
    ①個人的色彩が強い
    経営者の個人的能力によって経営状態が大きく左右され、中小企業の中でも小零細企業に
    なると、家族労働への依存度が大きいために、家計と経営の分離、事業所と居宅の分離も
    不十分となり、経理面もおろそかになってしまう傾向がある。
    ②生産技術・設備の劣位
    中小企業は資本が小さいため、大規模な設備をすることが難しく、技術の進歩に伴い設備
    を新しくしていくことも困難であり、新製品の開発や生産量など大企業より劣ってしまう
    ことが少なくない。
    ③大企業への従属
    中小企業は、大企業からすると下請である場合が多く何らかの関係で大企業に従属してい
    るものが多い。すなわち不況期、大企業の業績の悪化などは中小企業の経営にも影響を及
    ぼしてしまう。
    H22.3 回

    現代国家が「競争の自由」を掲げながら、広範な中小企業政策を実施する根拠と問題点を
    論じなさい。
    大企業は法律を制定することなく、自主協調・寡占を強化しつつ、実質的な政府からの支
    援を確保する体制を構築したのに対し、中小企業は法律を制定して、高度経済成長を推進
    する『産業構造の高度化』
    『国際競争力の強化』の名によう大企業の利害の観点から中小企
    業の近代化、格差の是正の支援が図られることになった。また、我が国の情勢において金
    融システムの建て直しや、国際競争力向上、失業者の増加などその余剰労働力の受け皿と
    して、中小企業の「経営革新」が必要であるといっても過言ではない。しかし、その問題
    として、中小企業政策が中小企業の固有の問題状況に応じて政策が決定されるのではなく、
    大企業への後継として位置づけられている。それは、大企業への支援策が承認されて中小
    企業政策が実施されるという政策順序の存続が未だに見られる。しかし、
    「市場」における
    「自由」な「競争」によって弱者と強者を作りだし、弱者を淘汰するこにより経済効率化
    を達成しようとするグローバル化に対する対抗文化は「公正、共生、自立」であり、中小
    企業がそれを担い手としているからである。
    H23.1 回
    市場競争では企業規模が大きいほど生存力がある。すなわち「規模の経済」が働くと考え
    られる。それではこれまで、多くの国において市場拡大とともに中小企業が多数存在する
    ことができたのは何故か?
    ・市場の拡張率と大企業の拡大テンポが一致しない場合
    需要の増加によって市場拡張率が高く、かつ大企業の資本蓄積力がそれに対応できずタイ
    ムラグをもつ場合、中小企業を存在させる市場空間があると考えられる。
    ・低価格コストの実現
    大企業は、新技術の導入や技術革新などでコスト低下を妨げ、その分を価格に転嫁せざる
    を得ない側面がある。それに対し、中小企業は大企業の弾力的に活動できない分野に、ア
    イデアや資本節約的な工程の中で比較的低いコストで製品を産出することが可能である。
    ・市場に対し組織の規模において有利
    大規模企業は組織が規模化して、最も弾力的な市場の把握や対応が硬直化しがちである。
    そのようなサービス精神の欠如を補い、
    市場の要求に迅速に対応できるのは中小企業である。
    ・多様な個々又は社会のニーズに対応しやすい
    個人的な好み、人間的結合、習慣性、消費態度で、大量生産化できないなどの分野おいて
    中小企業にビジネスチャンスがある。社会的に要求される財やサービスが多様化されれば
    されるほど大企業の効率は低下し、逆に中小企業がその分野に専門化、特化することによ

    って市場のニーズに応えることを可能にする。
    ・大企業との関係性
    大企業の部品工程部門を受け持つことにより、大企業に対し生産パターンの柔軟性を持つ
    中小企業は資本節約を可能にするクッションの役割を果している。人手不足期になれば、
    人手を必要とする部門工程を中小企業に受け持たすことで、専業化という利点をフルに活
    用できる。
    ・労働市場において就業の機会を与える事ができる
    中高年齢層の労働市場が大企業と中小企業とが不連続である場合、価格に対する圧力が容
    易に賃金に転嫁されるため、景気変動による労働市場の需給の調整弁として働くといえる。
    また、不景気及び経済の不安定期において労働者の間に失業が増加するが、その場合に企
    業家自身以外に家族にも雇用の機会が与えられる。
    以上の点に加え、自動車産業や電子部品産業など日本の基幹産業が中小企業を存在させて
    いるとも考えられる。また、商業・サービス業においては、便宜性とか個人的親密感によ
    って事業を継続できる側面もある。
    中小企業は多品種、少量分野において独自の存在意義を有してきたこと、及び新技術の積
    極的導入においてその変化の担い手として先導的な役割を果してきた。また、中小企業と
    大企業は相互に競合するものではなく、それぞれ自らの得意とする分野に取り組む「棲み
    分け」構造を形成している。そしてそうした棲み分け構造において中小企業が担当する多
    品種・少量分野は常に存在する。
    また、中小企業の多様な役割として、①多様性が経済社会の発展に関係する②消費者にラ
    イフスタイルの多様性をもたらす③技術革新を生み出している④高齢者や障碍者など様々
    な働き手に就業の場を提供している⑤地域内での住民交流の活性化、地域住民生活の利便
    性の向上、地域の雇用受け皿の創出など地域社会への貢献 が挙げられる。
    H23.3
    資本主義社会では一般に、
    「営業の自由」が国家によって認められている。それにも関わら
    ず、独占禁止法のような営業の量(規模や市場占有率など)や質(下請企業保護など)に
    対する規制がある。その根拠を論じなさい。

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