『事例研究行政法[第2版]』第1部・問題9(国立公園内での転落事故をめぐる紛争)

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    資料紹介

    行政法は、現行司法試験において短答・論述共に出題される科目でありながら、学問分野としてはともかく、受験生にとって馴染み難い科目であると思います。
     それというのも、行政法という科目は、平成18年より新司法試験に導入されて間もない科目であり、市場に出回っている教材も少数なため、手探りで論文対策を講じている受験生が大半であると思います。
    そのような中、この参考答案の問題が掲載されている『事例研究行政法[第2版]』は受験生の間で大変好評であり、ロースクールによっては、演習教材として利用しているところもあるようです。司法試験合格者に伺ってみても、行政法のお勧めの演習教材といえば、多くの方がこちらを推薦されております。
     そこで、この度『事例研究行政法[第2版]』の第1部につき、参考答案を作成いたしました。演習書に書かれている解説に疑問な箇所については、私なりに検討しておりますので、良い部分、悪い部分を含め、参考になれば幸いです。
     とくに、ロースクール在学中の方、ロースクール進学をお考えの方などで、自習学習をされている方にお勧めいたしま

    資料の原本内容( この資料を購入すると、テキストデータがみえます。 )

     以下、事例研究行政法[問題9]国立公園内での転落事故をめぐる紛争を論じる。
     本問では、安全確保のためになすべきことを怠ったという不作為の違法を捉え、国家賠償法1条責任を追及する余地もあるが、設問に従って、設置・管理の瑕疵における営造物管理責任(2条)、及び、費用負担者責任(3条)を検討する。
    第1、甲県の責任
     甲県に対し、営造物管理者責任を追及するために、2条の要件に即して以下検討する。
    1、公の営造物
     営造物責任の前提として、国又は公共団体の設置・管理の対象としての「営造物」が存在しなければならない。そして、「営造物」とは、国又は公共団体が直接に公の用に供する有体物をいい、土地工作物(民法717条)に限られず、広く動産も包含する。
     本件では、「海岸」及び「歩道」ないし「防護柵」がそれに該当しうる。
     「海岸」は自然公物ではあるが、2条が「河川」を明文で規定している以上、公の用に供する有体物にあたり、「営造物」あたる。
     ただ、本件事故の直接の原因となったのは、「防護柵」であると考えられるので、土地の定着物である「防護柵」を「営造物」として捉えることとする。
     なお、この点に..

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