『事例研究行政法[第2版]』第1部・問題8(飲食店における食中毒をめぐる紛争)

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    資料紹介

    行政法は、現行司法試験において短答・論述共に出題される科目でありながら、学問分野としてはともかく、受験生にとって馴染み難い科目であると思います。
     それというのも、行政法という科目は、平成18年より新司法試験に導入されて間もない科目であり、市場に出回っている教材も少数なため、手探りで論文対策を講じている受験生が大半であると思います。
    そのような中、この参考答案の問題が掲載されている『事例研究行政法[第2版]』は受験生の間で大変好評であり、ロースクールによっては、演習教材として利用しているところもあるようです。司法試験合格者に伺ってみても、行政法のお勧めの演習教材といえば、多くの方がこちらを推薦されております。
     そこで、この度『事例研究行政法[第2版]』の第1部につき、参考答案を作成いたしました。演習書に書かれている解説に疑問な箇所については、私なりに検討しておりますので、良い部分、悪い部分を含め、参考になれば幸いです。
     とくに、ロースクール在学中の方、ロースクール進学をお考えの方などで、自習学習をされている方にお勧めいたしま

    資料の原本内容( この資料を購入すると、テキストデータがみえます。 )

     以下、事例研究行政法[問題8]飲食店における食中毒をめぐる紛争を論じる。
    第1、要件事実
     Xは、A県知事に対し、公権力の行使に基づく損害の賠償請求(国賠法1条1項)をしている。そこで、Xは、①公権力の行使にあたる公務員が、②その職務を行うについて、③故意又は過失に基づき、④違法に損害を加えたことを主張するべきである。
     本件では、A県知事のPに対する食品衛生法に基づく規制権限の不行使が問題となるが、県知事は地方公共団体の代表・執行機関であり(地方自治法147条、148条参照)、作用法により行政処分権限を授権されているのであるから(食品衛生法(以下、「法」という。)55条、56条参照)、①②の要件は問題ない。
     では、③や④の主張をいかにするべきか。
     まず、主張の前提として、③故意又は過失という主観的要件と④違法という客観的要件について、当該公務員に課せられた職務上の注意義務の懈怠も違法性に加える見解(いわゆる職務行為基準説、一元説)と、自然人たる公務員を媒介としてなされる国家行為の客観的違法と当該公務員の故意又は過失を区別して違法を構成する見解(いわゆる公権力発動要件欠如説、二元..

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