児童福祉 わが国における児童観の変遷発展

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    資料紹介

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    【参考文献】
    ・古川孝順、田澤あけみ「現代の児童福祉」<有斐閣 2008.11.25>
    ・櫻井慶一「初めての児童福祉」<学文社 2005.4.20>
    ・柏女霊峰「現代児童福祉論」<誠信書房 1995.6>
    ・高橋種昭「児童福祉」<朝倉書店 1993.3>
    ・保育士養成講座編纂委員会「保育士養成講座第2巻」<全国社会福祉協議会 2009.3>
    ・山縣文治「よくわかる子ども家庭福祉」<ミネルヴァ書房 2012.4>

    資料の原本内容 ( この資料を購入すると、テキストデータがみえます。 )

    1.近代以前の児童観

    近代以前は血縁関係が重視された氏族制度であった。生活の全ては共同生活で、共同体の中の相互扶助により生活が営まれていた。家長の権限は非常に強く、子は一人の人格をもった存在として認められず、家長の所有物であり、養育や教育もその家の内部の問題であった。わが国で最初の児童救済事業としては仏教思想による慈悲を背景として、593年に聖徳太子が四天王寺に設立した四院のうち悲田院を孤児、捨て子の収容保護を目的としたものとされる。鎌倉時代に入って親の権力は一層強くなり、親に対して子どもは絶対服従であり、子どもは独立した人格をもった存在ではなかった。単なる労働力や商品とみなされ、人身売買も行われていた。室町時代から戦国時代には戦乱の中、農民や町民の暮らしはとても貧しく、相互扶助も機能せず、堕胎、間引き、子女の売買等が後を絶たなかった。ただこの時期に、ザビエルやアルメイダといったキリスト教の宣教師たちによる救済施設等の設置によって、孤児、捨て子の救済が行われた。しかし、江戸時代に入りキリシタン禁止令ともに消滅していった。宣教師達の救済活動が消滅し、頻繁に起きる天災飢饉などで生活に困窮...

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