【無料】Z1802 介護等体験研究 第1設題 佛教大学

閲覧数2,318
ダウンロード数78
履歴確認

    • ページ数 : 5ページ
    • 全体公開

    資料紹介

    佛教大学のレポートです。図書館で資料を収集してから作成したレポートですのでA判定をもらっています。 わたしは文系大学院を卒業してから佛大に入学しました。 質の高いレポートを作成できていると評価されていますので参考にしていただけると思います。

    資料の原本内容

    『なぜ介護等体験が小学校・中学校の普通免許状の取得のために必要なのか論述しなさい』
    ⇒第一の理由として、介護等体験を通して一人ひとりを見つめる幅広い視野を養う必要性がある点があげられる。中央教育審議会答申では、「教育は、『自分探しの旅』を扶ける営み」であると述べられている。さらに、「子どもたちは教育を通じて自らの個性を見出し、自己実現を目指していく。教育の最も重要な使命は自己実現を目指す子どもたちを的確に支援することである。」と述べられている。子どもたちによる「自分探しの旅」を扶けることが教員の使命である点が明確に指摘されている。この使命を果たすためには、一人ひとりを見つめる眼を持って、状況に応じた的確な支援を行う必要がある。小学校・中学校の児童・生徒の中には、全般的な知能発達に遅れはないが読み書きや会話、計算などのある特定の能力に関する問題(学習障害)をもつ子どもたちも存在する。また、集中することが困難である、過剰な活動を見せる、注意力が不十分などの症状(ADHD)を持つ子どもたちも存在する。小学校・中学校においては多様な児童・生徒と接する点を鑑み、義務教育に携わる教員には一人ひとりを見つめるより幅広い視野が不可欠のものになるであろう。座学で得た知識を特別支援学校などの場において実感することによって、教員としての幅広い視野を得るきっかけがつかめるだろう。ここに小学校・中学校教員を目指す者が介護等体験を行う第一の理由があるのだ。
     第二の理由として、教育に携わる者として「個人の尊厳及び社会連帯の理念」を理解することが必須である点があげられる。1969年にスウェーデンのベンクト・ニィリエが「ノーマライゼーションの原理」を提唱している。ニィリエは「ノーマライゼーションの原理」とは「社会の主流となっている規範や形態にできるだけ近い、日常生活の条件を精神遅滞者が得られるようにすること」だと述べている。障害者も健常者と同じノーマルな社会環境が必要であるという意味を持つこの提唱はその後世界に広まった。「障害」とは社会との関わりが大きいことを示唆している。また、2001年にはWHOによって「障害」に関する理解を行うための指標である国際生活機能分類(ICF)が作成された。ICFに関して注目すべき点は、「障害」を障害者個人だけの問題として扱うのではなく、社会との関係を考慮した上で「障害」について理解している点である。ICFによると、同じ条件の生活機能をもつ人が悪い道具やサービス(環境因子)の下では障害をかかえてしまう一方で、良い環境因子の下では何ら障害なく生活できることがわかる。「障害」とは社会が作り出しているものだと考えることができよう。ノーマライゼーションの考え方とICFがもつ視点から言えることは、「障害」とは障害者個人の問題ではなく、社会全体の問題であるということである。子どもたちに「障害」について教える者としても、社会の一員としても、介護等体験を通して「障害」の意味を改めて認識し、障害者や高齢者と共に生きることの意味を考えることは必要なことであるのだ。
     第三の理由として、教員の資質向上という目的があげられる。義務教育に携わる教員には多様な子どもたちとコミュニケーションをとることが求められる。介護等体験では日常接することの少ない障害者や高齢者とのコミュニケーションは大変困難なものになることが予想される。自分とは異質な相手とのコミュニケーションについて試行錯誤することは将来の教員生活にとっての糧となるのだ。
     以上のように、介護等体験は多様な人々を理解するよって必要なものである。よって、小学校・中学校教員を目指す者にとって必要不可欠なものだと言える。
    参考文献
    「介護体験の手引書」佛教大学通信教育部 2005年
    Z1802  介護等体験研究  第1設題
    (5)

    コメント0件

    コメント追加

    コメントを書込むには会員登録するか、すでに会員の方はログインしてください。