心筋梗塞(疾患)

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    資料紹介

    資料の原本内容

    心筋梗塞
    概念
    冠状動脈硬化があり、狭くなった冠状動脈がアテロームの破綻により血栓を生じ内腔が完全に閉塞すると、その動脈から先の血流が遮断される。
    このようなことが心筋におこると心筋は壊死を起こし、心筋細胞も破壊される。
    このような状態が心筋梗塞である。
    部位別分類
    閉塞の生ずる冠状動脈の流域によって、左室の前壁・前壁中隔・下壁梗塞とよぶ。
    STEMIと
    NSTEMI
    ■心表面を走る冠状動脈主分枝の完全閉塞によって、心内膜層から心外膜層まで心室壁に塊状の壊死が生ずる場合を貫壁性梗塞とよぶ。
    貫壁性梗塞は、病変部の心電図に典型的ST上昇と異常Q波をみとめるため、ST上昇型心筋梗塞という。(STEMI)
    ■側副血行路のある場合や、細い冠状動脈の完全閉塞では、心内膜層を主病巣とする比較的小さな散在性の壊死を生じ、これを心内膜下梗塞と呼ぶ
    心内膜下梗塞は、心電図上典型的なST上昇をきたさない場合がある。
    これは非ST上昇型心筋梗塞という。(NSTEMI)
    概要
    ・死亡率は30%
    ・多くは発作直後から12時間以内に死亡する
    ・CCUとは冠状動脈疾患の集中治療室である
    ・心筋梗塞による死亡はその合併症によるものである
    ・合併症として心不全・ショック・心破裂があげられる
    ・閉塞部位により重症度が異なる
    ・左冠状動脈主幹部は広範囲にわたり重篤である
    ・動脈硬化を起こしやすい部位は血流により損傷されやすい分岐部、または鋭角に曲がっている部位である。
    症状
    ・早朝から午前中に多い傾向にある。
    ・狭心症発作の経緯を経て起こすことが多いが突然発作もある
    ・前胸部通で始まる。
    ・痛みは左顎・左肩・腕・胃部に放散することがある。
    ・痛みは30分以上、数時間にわたって持続する。
    ・ニトログリセンリンを用いても軽快しないことが多い。
    ・高齢者やどう尿病患者では痛みを感じない場合がある。
    ・死への絶望感、強い不安を伴う。
    ・血圧低下・顔面蒼白・冷や汗・脈感知不良が見られる
    ・呼吸困難を訴え、灰には湿性ラ音が聞かれる。
    キリップ分類
    クラス
    症状

    心不全の兆候なし

    軽~中等度の心不全
    肺ラ音聴取域が全肺野の50%以下

    肺水腫
    肺ラ音聴取域が全肺野の50%以上

    心原性ショック
    血圧90mmHg以下
    尿量減少
    冷たく湿った皮膚
    チアノーゼ
    意識障害
    病態生理
    ■心不全
    ・心筋梗塞がおこる
    ・心筋細胞の壊死がおこる
    ・心筋収縮機能の低下を引き起こす
    ・心拍出量の低下
    ・左室の拡張終期圧の上昇をきたす
    ・左心房から左心室への血液流入が傷害される
    ・肺うっ血・低酸素決症をきたす
    ・さらに心筋収縮機能を低下させる
    ・拡張終期圧上昇
    ・冠灌流圧・冠血流量も低下
    ・心筋虚血を助長しさらに心筋収縮機能低下
    ■心原ショック
    ・心筋梗塞が起こる
    ・心筋収縮機能・心拍出量低下
    ・血圧低下
    ・冠灌流圧低下
    ・反射的に末梢血管収縮が起こる
    ・末梢血管の灌流圧が低下
    ・末梢組織での代謝障害が起こりアシドーシスがおこる
    心筋梗塞による虚血部位からは、心室性期外収縮がでやすい。
    ・心筋梗塞による虚血部位からは、心室性期外収縮がでやすい。
    これが、心室性頻脈を起こしやすく心室細動から心停止を起こす危険をもたらす。
    検査
    ・心電図
    ・心臓マーカー
    ・トロポニンT測定
    ・核医学的検査
    ・心エコー図
    ・カテーテル検査
    ・冠状動脈造影検査
    合併症
    ・不整脈
    ・心不全
    ・ショック
    ・心膜炎
    ・心破裂と乳頭筋不全
    ・最梗塞と梗塞後狭心症
    ・心室瘤
    治療
    ・初期診療における治療方針の判断と一般療法
    ①安静・精神的・身体的安静と胸痛のコントロール
    ニトログリセリンやモルヒネを使用し疼痛コントロールを行う
    ②アスピリン投与
    ③酸素吸入
    動脈血酸素分圧が70mmHg以下になると予後が悪いので2~4lの酸素投与を行う。
    ④アトロピンの投与
    副交感神経の作用を抑制し、 胃腸管の運動抑制、心拍数の増大などの作用がある
    ⑤致死的不整脈の予防
    リドカインなどの点滴を行う
    ⑥静脈確保
    緊急処置のため静脈路を確保する
    ⑦心電図持続監視
    不整脈とSTの変動を中心に監視する
    ⑧食事
    発症24時間後から徐々に開始。減塩と便秘予防、高タンパク質な食事とする。
    ・適応例に対する再灌流療法
    ①血栓溶解療法
    静注法と経費的冠状動脈内血栓溶解療法がある。
    発症後6時間以内に行う必要がある
    ②PCI
    梗塞責任病変の狭窄部位を経皮的に挿入したバルーンカテーテルまたは、ステントで拡張するものである。
    ③冠状動脈バイパス術
    最近は行われなくなってきているがPCIが困難な症例に行われる。
    ・合併症の治療
    ①虚血心筋保護
    ②不整脈
    ③心不全・ショック
    ④心膜炎・心筋梗塞語症候群
    ⑤心室瘤
    ・リハビリテーション
    発症後3~4日後には一般病棟へ移動し早期にリハビリが行われる。
    歩行訓練を中心としENTが近づいたらエルゴなどを使用したリハビリに移行する。
    再発要望に関しては、生活習慣の改善が重要である。
    禁煙や標準体重を目標にした減量、ストレスの改善などが行えることが望ましい。

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