「汝自身を知れ」から教育を考える

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    資料紹介

     「汝自身を知れ」とは、デルフォイのアポロン神殿に刻まれていた、ギリシアの七賢人の一人であるスパルタのキロンの言葉である。
     ソクラテスはデルフォイの神殿においてもたらされた「ソクラテスより賢いものはいない」との神託を聞き、神託を否定するために賢者とされている者のところへ赴いたが、そこで彼は、相手が「知らないのに何か知っているように思っている」ことに気づき、自分の方が自らの無知についての知があることを悟った。自らの無知を自覚することは、彼が無知の知を真の知へと至らしめようとする出発点となった。
     ソクラテスは、対話のなかで、この言葉をよく用いた。例えば、知恵ある者とは何か、美とは何か、というように問いかけていた。ソクラテスの探究の根底には常に「自分自身とは何か」という問いがある。
     近年の学校教育をめぐる議論においては、文部科学省の進める「ゆとりの教育」に対する批判からか、「知識は力である」という意見が優勢であるように感じられる。

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    「汝自身を知れ」とは、デルフォイのアポロン神殿に刻まれていた、ギリシアの七賢人
    の一人であるスパルタのキロンの言葉である。
    ソクラテスはデルフォイの神殿においてもたらされた「ソクラテスより賢いものはいな
    い」との神託を聞き、神託を否定するために賢者とされている者のところへ赴いたが、そ
    こで彼は、相手が「知らないのに何か知っているように思っている」ことに気づき、自分
    の方が自らの無知についての知があることを悟った。自らの無知を自覚することは、彼が
    無知の知を真の知へと至らしめようとする出発点となった

    ソクラテスは、対話のなかで、この言葉をよく用いた。例えば、知恵ある者とは何か、
    美とは何...

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