問題演習 日常家事代理

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    資料紹介

    Aから家計を預かる妻Bは、Aから預かっている健康保険証を利用して、自己の愛人CをAになりすませた上で、D金融業者からA名義で100万円を借り入れさせるとともに、その金で、家具を購入するためにAがEに負っている負債30万円の支払いに当てるとともに、残りの70万円をCとの遊興費に消費した。後に、DからAに100万円の債務の支払請求が来た。この場合のABCDEの法律関係を論ぜよ。

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    本事案では、Bが自らの愛人CをAになりすませDとの間にA名義で100万円の金銭消費貸借契約(587条)を結んでおり、この効力がAにまで及ぶかが大きな問題となる。また、借りた100万円のうち家具購入代金の負債30万円と遊興費70万円ではその性質を異にしている。そこで、以下家具購入代金の負債30万円と遊興費70万円とを分けて、Aのとり得る主張を論じ、その後各人の取りうる主張についても論じていく。

    ? 家具購入代金の負債30万円分について
    (1)Aとしてはまず、そもそも今回のような金銭消費貸借は代理権のない人物が行った無権代理(113条)で自己には効果は及ばないと主張することが考えられる。では、本当に無権代理となり家具購入代金の負債30万円分について本人に効力が及ばないのか。AとBは夫婦であり、本件金銭消費貸借契約の債務が日常家事債務(761条)にあたるように思えることから問題となる。
    (2)そもそも761条は婚姻生活における家事処理の便を図り、かつ第三者の保護になるところから、夫婦に日常家事債務についての連帯責任を負わせているものであり、本条に言う「日常の家事」とは、夫婦の日常生活に通常必要とされる一切の事務を言う。

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    Aから家計を預かる妻Bは、Aから預かっている健康保険証を利用して、自己の愛人CをAになりすませた上で、D金融業者からA名義で100万円を借り入れさせるとともに、その金で、家具を購入するためにAがEに負っている負債30万円の支払いに当てるとともに、残りの70万円をCとの遊興費に消費した。後に、DからAに100万円の債務の支払請求が来た。この場合のABCDEの法律関係を論ぜよ。

    本事案では、Bが自らの愛人CをAになりすませDとの間にA名義で100万円の金銭消費貸借契約(587条)を結んでおり、この効力がAにまで及ぶかが大きな問題となる。また、借りた100万円のうち家具購入代金の負債30万円と遊興費70万円ではその性質を異にしている。そこで、以下家具購入代金の負債30万円と遊興費70万円とを分けて、Aのとり得る主張を論じ、その後各人の取りうる主張についても論じていく。
    Ⅱ 家具購入代金の負債30万円分について
    (1)Aとしてはまず、そもそも今回のような金銭消費貸借は代理権のない人物が行った無権代理(113条)で自己には効果は及ばないと主張することが考えられる。では、本当に無権代理となり家...

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