憲法論文答案練習国会 国会の条約修正権

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    資料の原本内容

    憲法論文答案練習 国会
    国会の条約修正権
    【問題】
    国会は条約修正権を有するのか。
    【考え方】
    ・・・国会は、条約承認権を有する(憲73条3号)が、修正権まで有しているか。
    (見解)
    1)否定説
     …憲法は、内閣に条約締結権を付与しており、条約内容の実質的決定権が内閣にあること、仮に、国会が条約の内容を修正しても相手国の同意なしに相手国を法的に拘束できないこと等を根拠として、否定する見解。
    2)肯定説
     …国会の民主的コントロールの強調、憲法61条の両院協議会の定めが修正承認を前提としていると考えられること等を根拠として、否定する見解。
    【答案例】
     条約について、国会の修正権を認めることはできるか。
     この点につき、条約が、国政の根幹にかかわり国民生活にも大きな影響を与えることから、条約に対する国会による民主的コントロールの必要性を強調し、国会に修正権を認める見解がある。
     しかしながら、条約において、国際情勢および相手国の態度に応じた迅速かつ柔軟な対応が必要であり、また、一定限度で秘密を保持しながら交渉を進めていく必要がある。そのため、多人数の合議体である国会では、条約締結交渉を行うことは不可能であり、実質的に内閣のみがなし得ることから、憲法は内閣に条約締結権を与えたのである。その意味で、条約内容の実質的決定権は内閣が有するというべきである
     また、仮に、国会が条約を修正しても、相手国の同意なしに相手国との関係で法的効力を認めることはできず、単に、内閣に再交渉を義務づけるにすぎないのだから、そのようなものを「修正権」と呼ぶのは不適切である。
     以上より、私は、国会には、条約を承認するか拒否するかの権限しかなく、条約に対する修正権は有していないと解する。
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