発振回路

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    資料紹介

    2.2 LC発振回路
     発振回路における発振周波数が,コイルのインダクタンス及びコンデンサの静電容量で決まるものを,一般にLC発振器とよんでいる.正帰還の方法として出力の一部を入力側に結合する方式を反結合(Back Coupling)という.並列同調回路がコレクタ,ベース,エミッタ端子のいずれに接続されているかによって,コレクタ同調形,ベース同調形,エミッタ同調形の3つの方式の反結合発振器が構成される.トランジスタ回路ではベースまたはエミッタ端子に帰還する.ここで留意することは,トランジスタ回路ではコレクタ側の出カインピーダンスが入力側に比べて高いから,並列同調回路(共振時のインピーダンスが高い)をコレクタ側に接続した場合,タップをとることなく入力側と帰還回路とのインピーダンス整合がとれる利点がある.
     図2.4は三端子発振回路の基本型で,図2.5はその等価回路である.
    2.3 水晶発振回路
     水晶発振器は水晶を圧電気振動子(piezoelectric vibrator)として用いた発振器である.一般に水晶振動子の振動は,その周波数が素子の形や大きさで決まる輪郭振動と,厚さで決まる厚み振動に大別される.輪郭振動には,縦振動の他に,すべり,屈曲,ねじれなどの姿態の振動がある.また,厚み振動の場合は,主として縦振動とすべり振動形の姿態が利用されている.同じ振動形式に対しては,その固有振動数は大体結晶の寸法に反比例するものと考えてよい.一般に,厚み振動は数百kHz以上,輪郭振動は数百kHz以下の振動子に利用されている.水晶振動子には,1kHz(屈曲振動)程度のものから150MHz(厚み振動,1/100mm)程度のものまでが実用されている.しかし,高い周波数では高調波振動を利用するオーバトーン(over tone)発振を利用することが多い.

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    目的
     本実験では,CR発振器,LC発振器の波形観測と特性の測定を行う.また,水晶発振器の発振特性や周波数安定性を測定する.
    原理
     発振とは,他からの入力のないときに,系が自励振を保持する状態をいう.
     その原理は,次のように考えることができる.図2.1に示す は,利得 なる一方向性増幅器である.その出力は伝達関数 なる回路によって入力に帰還される.従って,系全体の伝達関数は, 図2.1 帰還を用いた発振
    (2.1)
    となる.一般に伝達関数,すなわち出力入力比が無限大であれば,他からの入力が零の状態でその系は自励振を保持する.発振が起きるための条件は,伝達関数が無限大となることであるから,式(2.1)より
    (2.2)
    で与えられる. は一般に複素数であるから,式(2.2)の発振条件は大きさと位相,または実数部と虚数部に関する2つの関係を含んでいる.すなわち,
    , (2.3)
    または
    , (2.4)
    である.
    CR発振回路
     帰還回路を容量と抵抗だけで構成した発振器をCR発振回路(Capacitance and Resistance Osci1lator Circuit)という.LC発...

    コメント4件

    firedfly 購入
    ブロック図なども、教科書からのスキャンしてある。ただし、図2.4および図2.5が抜けている。また、R_L=5[kΩ]のはずがR_L=0[kΩ]として計算しているために、CR発振回路の理論値が間違っている。
    2006/06/01 15:07 (17年10ヶ月前)

    ic051203 購入
    実験で出たレポートと類似していたので参考になりました。
    2006/09/29 23:27 (17年6ヶ月前)

    nasariel 購入
    吟味のところで探してもなかったところがちょうどあったので参考になりました。
    2006/10/31 19:56 (17年5ヶ月前)

    ibanez 購入
    参考になった
    2006/12/10 1:27 (17年3ヶ月前)

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