丸山真男 無責任の体系

閲覧数5,951
ダウンロード数4
履歴確認

    • ページ数 : 3ページ
    • 会員550円 | 非会員660円

    資料紹介

    資料の原本内容 ( この資料を購入すると、テキストデータがみえます。 )

    無責任の体系と現代的課題
     はじめに
     非西欧国の中で最初に「近代化」を果たした日本であるが、非西欧国であるがゆえの特殊日本的な近代化の政治思想、政治意識とはどういったものであろうか。本論では、日本の思想的、意識的特徴を天皇イデオロギーに基づく天皇制に顕著な「無責任の体系」に見出し、丸山真男の議論を軸に分析していく。そのためにまず、日本の近代化の歴史的背景を簡単に概観し、次いで天皇制の特徴を述べ、天皇制の「無責任の体系」を明らかにしていく。最後にこれらが現代社会にどのような影響があるのかを論じていく。
    Ⅰ 「上から」の近代化
     黒船の来航を契機として日本は明治以降、急速な近代化を成し遂げた。ただし、イギリスやフランスは市民主導の革命を通じての「下から」の近代化であったのに対し、日本は政府主導のもとでの「上から」の近代化であった。つまり、日本においては、市民や民衆による自覚的な行動によって生み出されたものではなかったのである。その結果、日本においては、経済や科学技術の面では近代化したが、封建的な家族制度や村落共同体といった前近代的な要素は温存されることとなった。
    Ⅱ 天皇制の構造と無責任...

    コメント0件

    コメント追加

    コメントを書込むには会員登録するか、すでに会員の方はログインしてください。