深読み芥川龍之介(2)「奉教人の死」論

閲覧数6,163
ダウンロード数1
履歴確認

    • ページ数 : 2ページ
    • 会員550円 | 非会員660円

    タグ

    資料の原本内容 ( この資料を購入すると、テキストデータがみえます。 )

    『奉教人の死』を読んで―なぜ「ろおれんぞ」は女であることを隠したのか
     私はこの話を読んで、なぜ「ろおれんぞ」が男装したことについて、「ろおれんぞ」自身に理由を求めるのか疑問に思った。なぜなら「ろおれんぞ」を女性に設定し、最後まで隠していたのは明らかに作者の意図であり、それがこのテキストのテーマに関わってくるからである。
    志賀直哉は、「主人公が死んで見たら実は女だつたといふ事を何故最初から読者に知らせて置かなかつたか」と批判しているが、テキストの前半部分には、結末で読者を混乱させないように、「ろおれんぞ」が女であることの伏線が施されている。「顔かたちが玉のやうに清らかであつた」「声ざまも女のや...

    コメント0件

    コメント追加

    コメントを書込むには会員登録するか、すでに会員の方はログインしてください。