DNA修復機構について

閲覧数3,599
ダウンロード数9
履歴確認

    • ページ数 : 6ページ
    • 会員550円 | 非会員660円

    資料紹介

    1. はじめに
     染色体DNAは遺伝情報の保持、伝播という生命の本質に関わる重要な機能を果たすための物質として安定性を求められる一方、さまざまな原因によって損傷を受けることはずいぶん前から取沙汰されている皮膚がんと紫外線の関係などで常識となっている。だがDNAの損傷は一日1細胞あたり最大50万回程度も発生することは今回のレポートのテーマを決める過程で初めて知ったし、さらにその原因は先に挙げた紫外線やタバコの煙などの環境要因によるものだけでなく正常な代謝活動に伴うもの(複製過程においてのミス)も数多くあると知って驚いた。それらの損傷は細胞の持つ遺伝情報の変化・損失をもたらすだけでなく、その構造を劇的に変化させることでそこにコード化されている遺伝情報の読み取りに重大な影響を与えかねず、DNA修復は細胞が生存し続けるために必要なしくみであることがいかに重要であるかがわかる。
     しかし、その細かいプロセスについてはあまりよく解明されておらず、わかっている部分においても明らかになったのはごく最近であるという事実を知り、どこまで研究が進んでいるのか興味を持った。
    2. DNAの損傷
     ヒト及び真核生物において、DNAは核とミトコンドリアに存在する。核DNA(nDNA)はヒストンというビーズ状の蛋白質に巻きつき、染色体として知られる団粒構造を形成している。nDNAにコード化されている遺伝情報を読み出す過程においては必要な区間だけが解きほぐされ、終了後には保護のため再び巻きなおされて保管される。これと比較して、ミトコンドリアDNA(mtDNA)はヒストンとの複合体を形成することなく環状DNAとして存在している。mtDNAがnDNAに比べてはるかに損傷を受けやすいことがわかっているが、これはミトコンドリア内で常に産生されているATPによる酸化的環境とヒストンによるDNAの保護のためであり、ヌクレオソームが種の保存のために重要なnDNAを出来る限りそのままの形で娘細胞に受け渡すために獲得した方法であるといえよう。

    タグ

    レポート医・薬学DNA損傷複製修復

    代表キーワード

    DNA医・薬学複製

    資料の原本内容 ( この資料を購入すると、テキストデータがみえます。 )

    DNAの修復機構について
    目次
    はじめに
    DNAの損傷
    DNAの修復
    一本鎖DNAの修復
    除去修復機構
    損傷の直接消去
    一本鎖切断修復
    二本鎖の損傷
    相同組み換え
    非相同末端再結合
    疾病と老化
     4-1 DNA修復速度と老化
     4-2 ヌクレオチド除去修復欠損症
    おわりに
    参考文献・参考サイト
    はじめに
     染色体DNAは遺伝情報の保持、伝播という生命の本質に関わる重要な機能を果たすための物質として安定性を求められる一方、さまざまな原因によって損傷を受けることはずいぶん前から取沙汰されている皮膚がんと紫外線の関係などで常識となっている。だがDNAの損傷は一日1細胞あたり最大50万回程度も発生することは今回のレポートのテーマを決める過程で初めて知ったし、さらにその原因は先に挙げた紫外線やタバコの煙などの環境要因によるものだけでなく正常な代謝活動に伴うもの(複製過程においてのミス)も数多くあると知って驚いた。それらの損傷は細胞の持つ遺伝情報の変化・損失をもたらすだけでなく、その構造を劇的に変化させることでそこにコード化されている遺伝情報の読み取りに重大な影響を与えかねず、DNA修復は細胞が生...

    コメント0件

    コメント追加

    コメントを書込むには会員登録するか、すでに会員の方はログインしてください。