今、日本は空前のお茶ブームである。以前からあった烏龍茶や紅茶だけでなく、日本茶が加わり、前にも増して無糖茶飲料は人気を高めている。中でも緑茶の成長はめざましい。多くのメーカーが参入して激戦区となっている。しかし昔から生活に密着し、日本独自のお茶文化が発展してきたのに、今なぜ飲料水という商品となって売れているのだろうか?この傾向を私たちはどのように認識すべきなのか?また生活習慣病で人の4分の1が死ぬ原因とされているがんを予防できる緑茶のどの作用がどのような効果をもたらすのか、緑茶をたくさん飲めばがんを防げるという情報は本当か否かを検証していく。
2.背景
・リーフ緑茶と緑茶ドリンクについて
国内における緑茶の消費量と生産量をリーフ緑茶(急須で飲む緑茶)と緑茶ドリンク(ペットボトルや缶で飲むお茶)別に見てみる。
近年の茶類の家計における消費を 図1でみてみると1)、緑葉(リーフ)が減少する一方で茶飲料が増加傾向で推移している。13年の緑茶の1人1年当たり購入数量は1.6%減の365gとなった。
図2の茶類の消費を主要スーパーにおける販売数量でみると1)、近年茶飲料は増加傾向にある。13年の茶葉は緑茶で7.5%の減少となり、紅茶で1.7%、ウーロン茶で4.9%の増加となった。茶飲料は紅茶飲料で9.7%、緑茶飲料で55.8%、ウーロン茶で16.8%の増加となった。
緑茶ドリンクの生産量(図3)は,1990(平成2)年,わずか5万5,000kl にすぎなかったのが,2000(平成12)年に至っては101 万kl を記録し,10 年のうちに18.4 倍の伸びを記録している。
標題 お茶ブームの謎にせまる
副標題 「ガンにならない為には緑茶をガブガブ飲め」という情報は正しいのか?
読者にあてたメッセージ
緑茶と聞いてがん予防を思い浮かべる人は何人いるだろうか?それほど、がんに絶対的な効果があるという情報が世間には流れていないと思う。しかし、一部の人たちの間では、緑茶を飲めば飲むほど効果があるという認識の人もいる。そこで、「ガンにならない為には緑茶をガブガブ飲め」という情報は正しいのかどうかを、インターネット、アンケート、本を利用してまとめた。
1.はじめに
今、日本は空前のお茶ブームである。以前からあった烏龍茶や紅茶だけでなく、日本茶が加わり、前にも増して無糖茶飲料は人気を高めている。中でも緑茶の成長はめざましい。多くのメーカーが参入して激戦区となっている。しかし昔から生活に密着し、日本独自のお茶文化が発展してきたのに、今なぜ飲料水という商品となって売れているのだろうか?この傾向を私たちはどのように認識すべきなのか?また生活習慣病で人の4分の1が死ぬ原因とされているがんを予防できる緑茶のどの作用がどのような効果をもたらすのか、緑茶をたくさん飲めばがんを..