第4胃変位

閲覧数13,005
ダウンロード数1
履歴確認

    • ページ数 : 5ページ
    • 会員550円 | 非会員660円

    資料紹介

    第四胃変位のパターンの分類
    第4胃変位
    《原因》
    症状は異なっていても第4胃の左方移動、右方への拡張と変位および捻転はおそらく共通の病因を持つ。
    飼料-しばしば高脂肪および/または高蛋白を伴う濃厚資料の過剰摂取および飼料中の繊維質の相対的な低下
    飼料の食べすぎ、または急変、その他ストレス
    ある血統では遺伝的要因
    分娩と関連する腹部臓器の再配置
    合併症(子宮炎・乳房炎)は病因上さほど重要ではない。
    飼養牛の5%に発生し、分娩後1週間〜3週間の間に90%みられる。
    平均乳量より多い高泌乳牛で4歳以上に多い。
    第4胃左方変位
    《原因》
    第四胃変異の約90%を占め、亜急性~慢性の症状を示す。妊娠子宮の拡張、粗飼料不足、濃厚飼料多給、運動不足、四胃の弛緩が要因と言われている。
    第四胃は第二胃後面と第一胃前下部の間か第一胃下面と腹腔の間から第一胃左側面と左腹壁の間で鼓脹する。
    《症状》
    乳牛では冬期の舎飼い時期に分娩後6週間以内の牛に多発する。
    急激に乳量が減少し、選択的な食欲不振となる。元気で腹痛はない。
    第一胃運動が減退または停止し、反芻も減退する。
    初めに軽度の便秘があり、後に下痢をするものもある。無熱。
    ケトン尿症、呼気が甘臭い、軽度の低クロール血症、低k血症、軽度の代謝性アルカローシス
    《左方変位と捻転の症状》
    ・脈拍上昇、眼球陥没、右腹壁膨満、第一胃運動停止、ショックと脱水
    《診断》
    ピンニングテスト
    左腹壁の聴診で特徴的な高い金属性の反響音が左膁部から第10~13肋骨間の中央部分で聴取される。(ガス発生+底に液体貯留+壁緊張の3要因による)
    第4胃穿刺で胃内pH2~4を確認する。
    《治療》
    牛回転整復法、右腱部切開、傍正中切開
    第4胃右方変位
    第四胃変位の10%を占め、分娩後3~6週間に突発的に発生する。左方変位に継発する事あり、乳牛に多い。消化管閉塞症候群、多くは捻転の症状を示す
    《症状》
    ・数日後には食欲廃絶、脱水、脈拍の増加、泌乳量の急激な減少
    《捻転を伴う場合》
    ・他の変位よりも経過が早く重篤で、第四胃破裂を起こすと急死する。
    ・発生初期から疝痛症状を示し、右側腹壁の膨満。
    ・高度の捻転は知覚の麻痺し、2~4日でショック、脱水のため死亡
    《診断》
    ピンニングテスト
    直腸検査により、ガスの充満した四胃に触れる
    《治療》
    早期に右腱部切開、第四胃内容物(ガス・貯留液)排除後、第三胃の位置確認、整復後、縫着。重篤に対し初期(高度脱水には高張食塩注7.2%)補液療法
    捻転
    亜急性~急性で外科的救急疾患で、死亡率高い。子牛にも発症する。
    右方変位から第三胃第四胃結合部を軸として回転したもの。大網または小網が断裂していることが多い。
    《原因》
    激しい運動や輸送。子牛は過剰なミルクの給与で消化不良となり第四胃内でのガス発酵するため。第四胃が高度の拡張→右方変位→大網・小網の断裂→出血→死
    《症状》
    捻転が180度以内では右方変位と同様の症状、180度以上では経過が早く重篤。
    発症後48~96時間で激しいショックと脱水、虚脱、死。胃破裂を起こすと急死する。
    第4胃変位の術式を体系づけてまとめよ
    開腹手術-起立位手術
    術式名前 保定・切開部位・固定位置 特徴 利点 欠点 ユトレヒト 起立位
    左膁部切開
    大網固定 第四胃が腹部中央より上方、第10肋骨より後方に変位した左方変位にのみ適用
    牛・術者共にストレスが少ない。妊娠末期に有利。潰瘍・左腹壁との癒着を直視できる。 助手が必要。
    大型牛、小さい術者では困難。
    ハノーバー法 起立位
    右膁部切開
    大網固定 左

    資料の原本内容 ( この資料を購入すると、テキストデータがみえます。 )

    第四胃変位のパターンの分類
    第4胃変位
    《原因》
    症状は異なっていても第4胃の左方移動、右方への拡張と変位および捻転はおそらく共通の病因を持つ。
    飼料-しばしば高脂肪および/または高蛋白を伴う濃厚資料の過剰摂取および飼料中の繊維質の相対的な低下
    飼料の食べすぎ、または急変、その他ストレス
    ある血統では遺伝的要因
    分娩と関連する腹部臓器の再配置
    合併症(子宮炎・乳房炎)は病因上さほど重要ではない。
    飼養牛の5%に発生し、分娩後1週間〜3週間の間に90%みられる。
    平均乳量より多い高泌乳牛で4歳以上に多い。
    第4胃左方変位
    《原因》
    第四胃変異の約90%を占め、亜急性~慢性の症状を示す。妊娠子宮の拡張、粗飼料不足、濃厚飼料多給、運動不足、四胃の弛緩が要因と言われている。
    第四胃は第二胃後面と第一胃前下部の間か第一胃下面と腹腔の間から第一胃左側面と左腹壁の間で鼓脹する。
    《症状》
    乳牛では冬期の舎飼い時期に分娩後6週間以内の牛に多発する。
    急激に乳量が減少し、選択的な食欲不振となる。元気で腹痛はない。
    第一胃運動が減退または停止し、反芻も減退する。
    初めに軽度の便秘があり、後に下痢をするもの...

    コメント0件

    コメント追加

    コメントを書込むには会員登録するか、すでに会員の方はログインしてください。