地理的分野「東北地方」の単元指導計画

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    資料紹介

    本単元においては、まず、個々の生徒のもつ「東北」のイメージをクラスで共有したうえで、広大な土地に東京の人口以下の人々が住み、過密と過疎の二極化が進展している一方、交通網の整備によって東京との結びつきが強い様子や、仙台都市圏の広がりと仙台市が東北地方でどのような役割を果たしているかについて考察したい(第1次)。また、農業からのアプローチとしては、米づくりと果樹栽培を取り上げる。東北地方で米づくりが盛んな背景に気づかせ、その販路拡大のために様々な工夫をおこなっていることや、やませによる冷害がなぜ克服できないのかについて考察させるとともに、その冷涼な気候を生かした農家も現れていることを伝える(第2次)。果樹栽培ではさくらんぼを例に挙げ、その生産地域が気候条件などの理由によって特定地域に限られることや、輸入果物との競争のなかで果樹栽培農家が様々な工夫を行っていることを知る(第3次)。さらに工業からのアプローチとしては、工業化が遅れた地域という印象で東北地方を理解させるのではなく、東北地方にも新しい工業を進出させられるだけの基盤が整備されていたことを知り、その発展性と他地域への依存の問題に触れる一方で、伝統工業の特徴やその発展の歴史についても学ばせたい(第4次)。こうした学習を踏まえたうえで、東北地方がさらに発展していくためには、どういった対策を立てる必要があるか考えるために、調べて発表する活動を取り入れて、変貌する東北地方の今日的問題に関しても考察させる(第5次)。
     以上のように、本学習においては、東北地方の特色をある程度理解させるという知識伝授型の授業も取り入れる一方で、それに終始することなく、東北地方の日本における役割を明らかにし、他の地域と関わり合いながら産業や人々の生活が変化しているということに気づかせる。この学習は、課題発見・解決型の学習のなかで理解させるという社会科・地理的分野の一つの役割として欠かすことができない。

    資料の原本内容 ( この資料を購入すると、テキストデータがみえます。 )

    1、単元名 「東北地方」
    2、単元設定の理由
     日本の諸地域学習の問題点は大きく2点ある。第一に、「地理的な見方考え方」という学習観点からすれば、どれも同じような学習の繰り返しになってしまうという点である。第二に、諸地域の学習がその地域そのものの理解にとどまり、その特色をとらえることに終始してしまうという点である。こうした問題点を踏まえたうえで、東北地方の学習においては、日本を代表する穀倉地帯・果樹栽培地域であるという自然的条件と、交通網の整備や都市圏の成立によって変貌しつつあるという社会的条件の関連性を考慮し、日本の中の東北地方の重要性を念頭に置きながら学習を進めていく。
     本単元においては、まず、個々の生徒のもつ「東北」のイメージをクラスで共有したうえで、広大な土地に東京の人口以下の人々が住み、過密と過疎の二極化が進展している一方、交通網の整備によって東京との結びつきが強い様子や、仙台都市圏の広がりと仙台市が東北地方でどのような役割を果たしているかについて考察したい(第1次)。また、農業からのアプローチとしては、米づくりと果樹栽培を取り上げる。東北地方で米づくりが盛んな背景に気づか...

    コメント1件

    T7 購入
    ひとつの単元について、たいへん丁寧な学習計画がされていて、参考になりました。
    2007/05/16 21:29 (16年10ヶ月前)

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