国文学史Ⅱ_課題2

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    資料紹介

    2022年度までのレポート課題です。
    マルクス主義が日本文学に与えた影響を整理したうえで、小林多喜二の『蟹工船』にみられるその特徴を考察しています。

    資料の原本内容 ( この資料を購入すると、テキストデータがみえます。 )

    ①マルクス主義が日本文学に与えた影響
     一九一四(大正三)年勃発の第一次世界大戦から一九三九(昭和一四)年勃発の第二次世界大戦にかけて、日本は急激な経済成長を遂げた。その反面市民の間には貧富の差が広まり、資本家と労働者という構図から生まれる労働運動も出現した。ロシア革命によって広まりを見せた社会主義の思潮は日本にも到来し、それに影響を受けた知識人たちによってプロレタリア文学が生まれた。社会主義の背景にあるマルクス主義は、日本文学に対して大きく分けて三つの影響を与えた。それは、作者を媒介とする題材・技法の拡大、歴史を見る視点の転換、文学者と社会の仲介である。
     一点目の影響は、作者の生活環境が大きく関係している。例えば、宮本百合子(一八九九~一九五一)は、一九二七(昭和二)年から三年の間ロシアで暮らしている。この頃ロシアでは既に十月革命により社会主義のソビエト連邦が成立していた。帰国後に日本プロレタリア作家同盟に加入した百合子は一九三二(昭和七)年に同じプロレタリア作家の宮本顕治と結婚し、その後も多くの著作をのこした。百合子の代表作である『伸子』は、素材としてはそれまでの作家、例えば田山...

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