遺伝による病気

閲覧数4,494
ダウンロード数1
履歴確認

    • ページ数 : 6ページ
    • 会員550円 | 非会員660円

    資料紹介

    遺伝による病気
    突然変異を起こした遺伝子や異常な染色体が次世代以降に伝えられることによって、遺伝による病気や奇形が起こる。遺伝的な要因で起きる体と心の病気は多く、名前がつけられているものだけでも数千ある。また、遺伝病や先天性奇形の頻度は意外に多く、成人するころまでに症状があらわれるものを含めると、出生児10人当たり1人くらいあるといわれている。遺伝病は、遺伝子突然変異によるもの、染色体異常によるもの、そして遺伝と環境の影響がからみあった多因子病に分類されている。これらの遺伝病のもととなる突然変異や染色体異常が起きる原因としては、物理的、化学的、生物学的な要因などがあるとされている。遺伝子や染色体の異常による病気を根本的に治療するのは難しいことだが、最近では遺伝子治療が話題を呼んでいる。しかし残念ながら、広く病気の治療に応用されるのはまだまだ先の話になりそうである。
    遺伝による病気の分類
    遺伝病は遺伝子突然変異によるもの、染色体異常によるもの、そして遺伝的要因と環境要因との相互作用によって起こるもの(多因子病という)の大きく3種類に分けられる。遺伝子の突然変異による遺伝病は、突然変異が常染色体に起きた場合とX染色体に起きた場合に分けられる。さらに常染色体の突然変異による遺伝病には、優性と劣性のものがある。奇形は必ずしも病気とはいえないが、遺伝的要因によって発生するものが数多く知られている。
    ◎遺伝子突然変異による遺伝病
    ここで「遺伝子突然変異」という言葉が出てきたが、これは何らかの外的作用によって遺伝子のDNA塩基配列に変化が起きて、通常は修復酵素によって元通りに修復されるが、それがうまくいかず、遺伝子がもととは異なった状態になることを意味する。遺伝子突然変異のことを、略して単に突然変異ということもある。遺伝情報はDNAの塩基配列によって伝えられるので、塩基配列に異常が起きると遺伝情報が狂う。その結果、この遺伝子によって決められている物質が子どもの体の中でまったく作られなかったり、性質の違ったものになって機能が変わったりする。遺伝子の突然変異を誘発するものには化学的、物理学的、生物学的なさまざまなものが存在するが、それぞれがどの程度寄与しているかということになると、ほとんど解明されていない。また父親の年齢が上昇すると子孫に伝わる優性遺伝病が増え、近親結婚によって劣性遺伝病が増えることなども知られている。
    ◎常染色体優性遺伝病
    常染色体優性遺伝病は、両親から受け継いだ対の常染色体の遺伝子のうちどちらか一方が正常であっても、片方に異常があれば出る遺伝病である。
    常染色体優性遺伝病は、今までに2,000種類以上みつかっている。2,000種類といってもさまざまで、生活に大きな支障があるものからそれほど影響のないものまである。この遺伝病には、例えば四肢短縮症、ハンチントン病、網膜芽細胞腫などがある。四肢短縮症は文字通り腕や脚が短く、ハンチントン病は手、顔、首、肩などが不随意運動といって、自分の意思と関係なく勝手に動く病気である。網膜芽細胞腫は目のがんである。
    ◎常染色体劣性遺伝病
    常染色体突然変異による劣性遺伝病は、両親から同じ突然変異をした遺伝子をもらった場合だけに出る病気である。突然変異した遺伝子を1つだけしかもたない場合、みかけ上は正常な人と変わりない。しかし、その遺伝子が子孫に伝わる可能性はあります。このような人を「保因者」という。常染色体劣性遺伝病は、一般には生命や生活能力に重大な問題がある場合が多いようである。この遺伝病は今までに600種類以上み

    タグ

    資料の原本内容 ( この資料を購入すると、テキストデータがみえます。 )

    遺伝による病気
    突然変異を起こした遺伝子や異常な染色体が次世代以降に伝えられることによって、遺伝による病気や奇形が起こる。遺伝的な要因で起きる体と心の病気は多く、名前がつけられているものだけでも数千ある。また、遺伝病や先天性奇形の頻度は意外に多く、成人するころまでに症状があらわれるものを含めると、出生児10人当たり1人くらいあるといわれている。遺伝病は、遺伝子突然変異によるもの、染色体異常によるもの、そして遺伝と環境の影響がからみあった多因子病に分類されている。これらの遺伝病のもととなる突然変異や染色体異常が起きる原因としては、物理的、化学的、生物学的な要因などがあるとされている。遺伝子や染色体の異常による病気を根本的に治療するのは難しいことだが、最近では遺伝子治療が話題を呼んでいる。しかし残念ながら、広く病気の治療に応用されるのはまだまだ先の話になりそうである。
    遺伝による病気の分類
    遺伝病は遺伝子突然変異によるもの、染色体異常によるもの、そして遺伝的要因と環境要因との相互作用によって起こるもの(多因子病という)の大きく3種類に分けられる。遺伝子の突然変異による遺伝病は、突然変異が常...

    コメント0件

    コメント追加

    コメントを書込むには会員登録するか、すでに会員の方はログインしてください。